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オチのない関西への旅の日記 前編

一日休みをいただき、家人に「土曜日には帰ってくる」と言い残して京都へ。木曜の晩に渋谷で散髪してから向かったのだが、気持ちよくマッサージなどしてもらっているうちに気づいたら9時過ぎ。最終の新幹線に文字通り飛び乗る。

案の定車内はガラガラ。着替えが入った袋を窓際のひじ掛けにクッション代わりにして伸び伸びくつろぐ。
山崎12年のミニボトル。50ml。500mlの水と氷がついて1200円ぐらいというのは安いのか高いのか。バーで飲むより安いのは間違いないが、プラスチックカップで飲む酒は2、3割安い気がする。現行飲むのは久しぶり。繊細で旨い。

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京都駅、人が少なく週末前とは思えないぐらい寂しい。

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バスも終わっているのでとりあえずタクシーで四条木屋町の珈琲屋へ。Twitterで煽られたので仕返しに殴り込み。「皆殺し」と書かれたTシャツ着て「誰が貧相なニワカやねん!いてまうどー」と叫びながら赤いじゅうたんの敷かれた階段を駆け上がる。

キングジョージフォースを頂き、モーレンジの71/72飲み比べ。自宅にある未開栓のモートラックのボトルがあったのでそれを試させていただいたり。とりとめもない話をして夜が更けていく。意外、という言い方がいいか分からないが、ケイデンのマッカランが良かった。

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隣の若いお兄さんは日本酒飲んでいる。気が付けば2時過ぎ。内田さんの店に行く時間ではない。

宿にまっすぐ向かえばいいのにすぐ近くのロックバーへ。

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私が学生の頃から老舗として有名だった店。ということはマスターと奥様は70代か。2時過ぎにお邪魔したら先客はなし。この時間に働かせてごめんなさい、と思いながらメジャーな曲を数曲リクエストしたが、LPやCD探すのに毎回3曲分ぐらいの時間がかかり、申し訳なくなってしまって黙々とジャックアンドコーラを飲んだ。

そういえばラッケンブースは4時まで開いていたんだった。

宿をとっていなかったので日本のサウナの聖地の一つ、祇園のルーマプラザへ。木曜日の夜というか金曜日の早朝は空いていた。

起きてゆっくり朝食を食べた後サウナに出かけたが9時半からの清掃時間が始まってしまった。屋上にある小さなサウナに入り、雨が降る気配を感じながら屋上から祇園の街を歩く人たちを眺める。何のためにこの宿に泊ったのかよくわからないままチェックアウト。

久しぶりに乗る阪急電車。見たことのない新型車両。河原町から富田まで出て友人の墓参り。命日が真夏なのでいつも汗まみれになっていたが、今年は違った。

画像5梅田に出て街を少しだけ眺め、今日はまだコーヒー飲んでなかったな、とふと気づく。スターバックスでもあるまい、と思いハンドドリップでコーヒー入れてくれる老舗の喫茶店、という店を見つけてお初天神へ。希少な豆から淹れてもらってバターとシロップたっぷりかけたホットケーキ食べた。子どもみたいだ。

ここからずっと行きたかった高松シャムロックにでも行くか、近鉄乗って津のアンバールに行くか、クルマ借りて小浜や舞鶴にでも行くか。少し悩むがやはり大阪に泊まることにした。ホテル阪神。福島駅前。サウナもあるし、バーに行くのも便利。ツインルームのそこそこ広い部屋があてがわれたけどたったの6千円。

チェックインしてうたた寝し、スマホ眺めていたら日がかげる。腹も減ってきたので鶴橋へ。駅前の狭い路地の左右50mほどがすべて焼肉屋、歩いていると呼び込みがかかる、なんて街は東京にはない。

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サッポロの赤星の大瓶飲んで、チャンジャとキムチを肴に飲み始めると身体が「今日はアルコールいりません」と言っているのが分かる。焼肉食べてビール一本だけというのはある意味新記録かも。満足してしばらく街を歩き、大人しくホテルに帰ったけれどやはり何か物足りない。折角大阪まで来たのだし、という言い訳を呟きながらローズバンクさんへ。

四連休前の金曜日の夜、ということもあり、あそこまで行って店に入れないとやや辛いので念のため電話してから。

恐らく去年の墓参り以来だから1年2か月ぶりの訪問。なのに中村さんに温かく迎えてもらう。

最近はオールドのオフィシャルを、ハイランドかスペイサイドで、と言って始めることが多い。加水で程よく度落ちしているのでスターターにはぴったりだ。

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インチガワー。京都の珈琲屋でも同じものおすすめされたのは優秀だからに違いない、と思った。そしてその期待を裏切らない。

渡辺さんも出てこられてご挨拶。Twitterではつながらせていただいているけれど実際にお目にかかるのは実は初めて。「生うめこさん初めてです」って言ったら「なまうめこ」という言葉がツボってしまったようで面白かった。確かに「なまこ」とか「なめこ」みたいでちょっとヌメヌメ系。ウメだけだとさっぱりなのに。

二杯目は何か新しいものを、とお願いしたら出てきたのが例のシークレットアイラ。蒸留所当ててみてください、と言われ、口に含んでAと言ってはみたものの飲んでいるうちにこれはもしかしたらBかも?と思い、ファイナルアンサー聞かれてAと答えた。だが正解はB。中村さんに「惜しかったですね」と慰められた。今年のアイラフェスのボトルに味が似ている気がしたのは間違っていなかった。シェリー樽の甘さがくぐもったピートから顔をのぞかせ柔らかくて美しい飲み口。ラベルのカリグラフィー眺めているだけで楽しくなってくる。

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その後アベラワー12年、グレンリベット18年とオフィシャルのオールドボトルを立て続けに頂く。どれも私の好みにぴったりの主張が強すぎない手弱女系のボトル。中村さんいわく、最近どのボトルも入手が少しずつ難しくなってきているそうだ。だから写真で紹介するのは差し控える。最近そんなのばっかりだ。

私の後に若い3人連れのお客さんが入ってきて、いきなり「オールドアンドレアのローズバンクお願いします」とオーダー。最近の若い人はすごい。勉強熱心なお客さんが来るとワンオペで店を回すのがややしんどくなるけれど、ツインリード体制の新生ローズバンクはそれを全く問題としない。

中村さんとゆったりお話をしたのは今回実は初めてかもしれない。彼のお人柄もありバーにいい時間が流れている。渡辺さんが加わったことでさらにゆったりと。うめこさんわざわざ店の外までお見送りしてくださった。また来ます。

後編に続く。


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