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49歳ハッピーリタイアメント初日: まずは健康保険任意継続の手続き

昨日5月9日をもって20年弱勤めた会社を退職した。最終出社日は2月19日だったので実質的にはとっくの昔に会社を辞めていたが、正式にサラリーマン生活に別れを告げるというのはまたこれはなかなか感慨深い。最終出社日から退職日までこんな長いインターバルがなぜあるかというと、「就業中に得た重要情報が陳腐化して価値が大きく下がるまでは退職させてやらない」というガーデニングリーブと呼ばれる「業界の掟」のせい。

3ヶ月近く出社もしないのに給料もらえて羨ましい、と思うかもしれないが毎年毎年有給休暇をろくに消化せず無駄に捨ててきた分を考えるとむしろ損している。今年の有給は1日も使っておらず、辞める際には未取得の有給が50日あった。全部使って10週間、2ヶ月半。ほぼほぼチャラ。シニアが休まないとジュニアが休みにくいという理由で毎年30日の有給休暇が付与されていたが当然6週間も休めるわけはなく、翌年にキャリーオーバーできる限度の20日分を毎年持ち越してきた結果の50日だ。

ガーデニングリーブ中の給料を3か月間だらだら払うのではなくその分退職金に上乗せしてくれれば会社の支払額は変わらないのに私のその分の税金が半分になるのでありがたかったのだが、残念ながらそれは叶わなかった(退職金の税金計算に当たっての給与所得額は半掛けされるため)。

だが自由の身になったとはいえ、7月終わりの退職金の支払いまでは大人しくしておかないといけない。それまでに万が一何かやらかして会社に損害を与えるようなことがあれば会社の裁量で支払いを拒否される可能性があるのだ。例えば会社の暴露本を書いて会社の評判を落とすとかそういうやつ。退職金は会社の法人格が変わった十数年前に一度払い出されているが(とある理由で税務署と揉めて大変だった、30代のサラリーマンで国税に更正処分受けた人はそうそういないと思う)、今回残りの退職金もらえないと今後の生活設計にそれなりの影響が出る。

その「大人しくしている」部分以外は基本自由だ。これまでは自由にできなかった個別株の売買もできる。バイトしてお金もらっても副業でないのでもう問題ない。

自由の身になった初日は健康保険の任意継続の手続きをした。会社で働くうちは意識しないが、健康保険料は会社が半分支払っている。それを退職後は全額自己負担しなければならない。ただし辞めてから2年間はこれまでの健保組合の加入を任意継続することが出来る制度がある。それには退職日の翌日から20日以内に申込まないといけない。

現役時代は自分の給料に応じた健康保険料(+介護保険料その他)だったが、退職して任意継続すると健康保険組合に加入している人全員の平均給与相当の保険料で済む(正確には加入員の平均給与と自身の退職時の給与の安い方をもとに計算した保険料)。それでも5月から9月末までの5カ月弱で25万円強、家族3人分とはいえ月5万以上となかなかの額だ。

任意継続以外の選択肢は国民健康保険に加入するか、自分で作った会社で健康保険に入り、雇用者としての会社と被雇用者としての自分で折半する方法がある。前者は高い。なぜなら会社の健康保険は家族が何人いても給与所得が一緒なら基本保険料は変わらないが、国民健康保険は家族一人一人の分をおのおの支払わなければならない上に料率も高い。また自分の作った会社で自分に給料を払い出すとその他の社会保険の費用もかかってくる。

健康保険は3割負担なので、任意継続で年間25万円払うということは家族3人で1年あたり保険適用前36万円医療費を使わないと元が取れない(7割安くなる分が25万円を超えないと元が取れない)。これまでそんなに使ったことはない。だから常に全額自己負担にして、10万円を超えた部分は医療費控除にした方が安くつくのでは?とも考えた。だが調べてみると健康保険への加入は全国民の義務であり、未加入で税務署に医療費控除を申請するっていうのは指名手配の人が運転免許の更新に警察署に現れるようなものらしい。

色々考えた結果初めて訪れた健保会館の6階の窓口で退職時に会社からもらった紙を提出して任意継続手続きを待っていた。そしたらすぐ横に置いてあったパンフレットに「会社都合・自己都合退職で65歳未満の場合、国民健康保険の保険料計算に用いられる給与額が翌年度末まで100分の30になる時限軽減措置が適用される場合があります」と書かれてあるではないか。

もしかするとその低減措置使った方が得じゃね?と思い、「健保の任意継続お願いしてますけどもしかしたらこっちの方が安いかもしれないですね」と窓口のお兄さんに聞いてみたら、とりあえず任意継続の手続き用の紙あげるけど国民健保の方が安ければこの手続き用紙使わず振込しなければそれで大丈夫、とのことだった。

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銀座線に乗って帰宅するすき間時間にスマホで調べたところ、昨年の給与所得が100分の30で計算されても任意継続の方が圧倒的に安いことが判明。どれだけ高いんだよ国民健保。2年後任意継続が切れたときのこと考えておかないと。

大好きな菱田屋にランチを食べに行って並んでいる間にスマホからサクッと任意継続の保険料を支払って一件落着。ジンギスカン定食食べて美味しかった。

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隣のテーブルから「久しぶりに食べるお味噌汁は美味しいね」という声が聞こえてくる。いや、ここの味噌汁絶対久しぶりじゃなくても美味いんだけど。東大1年生女子、一人は大阪から、もう一人は千葉から出てきて下宿しているらしいなど聞きたくなくても話が聞こえてくる。リモート授業ばかりで実際に顔を合わせることがほとんどないらしく、入学式から1か月経っているのに終始自己紹介的な話ばかりだった。今の大学生は大変だ。

帰宅し某自動車雑誌のウェブ媒体から依頼された記事のため、某メーカーの開発責任者とNo.2の方にリモートで取材。その道で日本で最先端を行く方の話を生で聞かれて楽しかった。この記事はYahoo!ニュースにも転載されるので気が抜けない。

夜はPythonで株価をスクレイピングするプログラミング。自分でできるとめっちゃ便利。もっと勉強しないと。

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別に今日何かが変わったわけではないけれど、とりあえず新しい一歩を踏み出したことにホッとした一日だった。何時に寝て何時に起きてもいいのだが、社会人生活26年間で早起きしなかったことはなく寝坊したこともないので朝7時には目が覚める。って老人か。

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