君のリスカであみだくじ
大分塞がってきたね、彼はポールペンで私のリスカ跡に縦線を書き足しながら、「ねえこれ以上増えたらあみだくじできなくなるからやめてね」と言った。
彼の無神経さが、むしろ心地いい。
分かってくれるんじゃないかって期待しなくてすむから。
けど、ねぇちょっとは「何が辛かったの?」とか言ってよ、
やっぱり聞かないで、話したくないから。
とか言ったらほらもうだんだん相手してくれなくなるでしょ、って試す醜い自分を見なくて済むからあなたといれば、
だからそのまま私の腕であみだくじしててね。