【雑記】阿蘇旅行(2)
この霧の深さは経験がある。
大学時代、友人の車で阿蘇に向かったら、霧が垂れ込めてきて、数m先すら見えなくなった。
時速10km以下の速度でのろのろと進んで、ひやひやしながら下山した。正直あの時は生きた心地がしなかった。友人も「死んだかと思った」と言っていた。
この友人、大学時代は人をドライブに誘って遠出したにもかかわらず、峠で運転中に寝たり、公道を時速1○0kmで飛ばしたりと、結構無茶なことをする友人だった。大学時代よく遊んだ友人の一人。そんな友人も、いまでは大病院の院長先生。
友人の話はさておき、あの時とまったく同じである。
キングof雨男の息子は「僕のせいじゃないからね」と先制攻撃を放ってきた。
風が強いのがせめてもの救い。
「とりあえず阿蘇火山博物館に入って時間をつぶそう」
ということになり、阿蘇火山博物館に入った。
入館料は少し高いなと思ったが、中に入って納得した。
展示物が豊富で、内容も面白い。
阿蘇についての映画も上映していた。大満足の内容。
映画が終わって、外の景色を見ると、完全に晴れになっていた。
その間、約一時間。
たった一時間で霧はすっかりなくなり、さきほどの気候が嘘のよう。
草千里ヶ浜を歩こうとしたら雹が降る。博物館に入ったら晴れる。
まさか息子の神通力かと思ったが黙っていた。
息子が草千里ヶ浜を歩こうと言い始めたが、現在標高1,100mの地点にいること、また霧が出てきたら立ち往生してしまうことを伝えた。
それだったら次の目的地の白川水源まで行ってのんびりしたほうがリスクが少ない。
たしか白川水源は標高500mくらいだったはず。ここならそこまでひどい天候にはならないし、市街地に抜けたら安全であることを息子に伝えたら、しぶしぶ承知した。
(続く)
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(怖い話です)