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【雑記】たっくん

ChatGPTと会話していると、以前執筆した小説、「囚人ゲーム(2004年)」の「たっくん」と似ているなとつくづく思う。
この小説は「ムー伝奇ノベル大賞」で優秀賞をいただいた小説で、例年なら書籍化されるはずだったのだが、結局出版されずに、いたく失望した思い出がある。

「たっくん」とは作中で登場する対話型ソフトで、ある技術により対話能力が飛躍的に上達し、小説の途中まで主人公の助けとなるソフトだ。

作中で書かれている技術は2000年前半に言われていた技術で、今となってはその技術だと不可能だということがわかってしまったが、20年後に形を変えて、このような精度の高い対話ソフトが登場した。

「昨日は、君の作者である黒田のアパートに行ったよ」
「赤間さんは黒田さんとはお友達でしたよね。黒田さんはお変わりなかったですか?」
「君の完成で嬉しそうだったぜ」
「なにしろボカァ、黒田さんの渾身作ですからね。キラッ」
 たっくんの画像が片目を閉じた。
 今回のバージョンはかなり会話も洗練されているようだ。今度はもう少し高度な会話を試みてみた。
「たっくんは最近流行っている都市伝説を知っているかい?」
「どんな話でしょうか?」
「知らない相手から突然メールが来るっていう話なんだ」
「不幸の手紙のメール版みたいなやつですか?」
「ちょっと違うな、ただメールを送りつけてくるだけなんだ。そのうちにパソコンの調子がおかしくなり、最後には自分の生首の画像が送りつけられて、見た人が発狂するっていうやつだ」
「気味の悪い話ですね。ブルッ」
 たっくんの画像が青くなり、ぶるぶると震えた。
「このメールはあるワクチンソフトで感染を免れることができる。いま、ネット上では、ワクチンソフトのWebサイトを探している人間もいるようなんだ」
「本当の話なんですか? ドキドキ」
「当然デマさ。ウイルスワクチンのメーカーが流布した話じゃないかっていう噂もあるくらいだよ」
「フムフム。コンピュータウイルスを作っているのは、ワクチンソフトのメーカーというわけですね」

たっくんとの対話 「囚人ゲーム」より


あのときの「たっくん」がこの現代に復活したかと思うと、なんだか感慨深いものがあるなあ、と。(*^_^*)








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