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【雑記】小説新人賞について(2)

半年かけて、魂を込めて書き上げた作品を、賞に応募するわけである。
応募数は賞にもよるが、自分が応募したときで考えると、だいたい150~350くらい。
少ないように思えるが、この数は「本気で作家になろうとする、人生を賭けた作家志望の人数」なので、レベルが高く、実際には競争率も相当高いと思う。

たいていの賞では、「下読み」と呼ばれる方々がいて、一次選考、二次選考、三次選考を担当してくれる(二次選考はない場合もあった)。
当時の感覚で言うと、一次選考で50作品くらいに絞り込み、二次選考で20作品くらいに絞り込み、三次選考で4作品が選びだされる。
そして最後に最終選考で作家の先生方に選考され、新人賞(大賞)が選ばれる。

日程的には、賞に送ってから半年くらい(たぶん)で、最終選考に残ったかどうかがわかると思う。
つまり半年くらい経って、なんの連絡もなければ、うっすらと「ああ、最終に残らなかったんだな」ということがわかるのだ。
最終選考の日はたいてい決まっているので、その日になってもなんの音沙汰もなければ、確実に落選していることになる。
そして翌月くらいの雑誌「小説〇〇」の受賞作発表で、選考過程が掲載されているのを自分で確認できる。

つまり、最終選考に残らなければ、賞に応募したものの、なしのつぶてで、なんの連絡もないということだ。
いまでこそWeb応募が許されているが、最初のうちは作品を郵送することが多かったので、「本当に郵便物届いてるの?」という、ありもしない疑いを持ったことが何度もあった。
雑誌「小説〇〇」の一次選考とかに名前が掲載されると、「ああ、一次選考までは通過していたのか」と、やっとわかるようになる。
初めて一次選考に通過したときには(落選したのと同時にわかったのだが)、メチャメチャ嬉しかった。下読みの方はちゃんと読んでくれているんだなと感謝したものだ(当たり前であるが)。

(続く)



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