【雑記】阿蘇旅行(1)
やはりと言うか、もうここまで行くと、神レベルと言わざるをえない。
天気予報は晴れ時々曇り。
出発時には見事な晴れ。高速を走っているときも晴れ。
ところが阿蘇に着いたあたりから雲が垂れ込めてきて、晴れ間がなくなってきた。
大観峰に着いたときには、とうとうポツリポツリと雨が降り始めた。
「歩くのは難しいよね。天気が回復するのを待とう」
ほとんど期待できない希望を口にしながら、草千里へと車を走らせた。
天気予報は晴れ、天気も晴れ。
キングof雨男の息子もさすがに今回は雨を降らせなかったと安堵した。
かねてからの予定通り、阿蘇の草千里を目指すことにしたのが、早朝である。
ところが先述の通り、大観峰で雨が少し降り始めた。
ただ、風が強く、雲の動きがありえないくらい速い。草千里に着いたときには晴れている可能性がある、という一縷の望みにかけ、草千里を目指した。
願いがかなったのか、草千里に着いたときには、曇りになっていた。
雨はたまに落ちるが、我慢できないほどではない。駐車場に車を停めると、草千里ヶ浜を歩き始めた。
春とは思えないほど肌寒く、風がすこぶる強い。息子は草千里ヶ浜を丘に向かってずんずん歩いていく。
このために来たようなものだから、息子のはやる気持ちもわかると思い、後を追った。
ところがである。
突然雨雲が垂れ込めてきて、雨が降り始めた。
と思ったら、雹だった。
なぜこの季節に雹が、と思っていたら、「痛い」と妻が言った。
雹が体に当たって痛い。
「みんな、とりあえず車の中に戻ろう」
急いで車の中に戻った。
しばらくすると、雹は止んだものの、あたり一面に霧が垂れ込めてきた。
こんなに霧が深ければ、帰れないではないか。
キングof雨男の面目躍如、などと冗談を言う余裕もなくなった。
(続く)
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(怖い話です)