【雑記】小池さん
息子が学校から帰るなり、
「ねえ、ラーメン大好き小池さんって、本当にドラえもんに出るの? 僕見たことないよ」
と言った。
「そんなことはどうでもいいから早くシャワーを浴びなさい」と妻。
「僕ね、気になって気になって、仕方がないんだよ」
「なんでそんなに気になるのよ?」
「いやね、お父さんの小説で、江藤君が『ドラえもんのラーメン大好き小池さん』に似てるって書いてあったんだけど、なんとね、僕今までにドラえもんで小池さんを見たことがないんだよ」
仕事中にもかかわらず、息子の言うことを聞いて、しばし考えた。
たしかにラーメン大好き小池さんは、藤子不二雄の作品のあらゆるところに出ている。
子供の頃のテレビアニメの、オバケのQ太郎とか、パーマンとか、キテレツ大百科とか、関係のないところで、頻繁に出ていたのは見た記憶がある。
そこで小池さんがどこで出演していたのかを調べてみた。
すると、Wikipediaで以下の説明を見つけた。
『オバケのQ太郎』のほかに、『パーマン』や『ドラえもん』など藤子漫画の多くに登場し
そうか。私は子供の頃、『オバケのQ太郎』のテレビアニメをよく観ていた。それで小池さんはどこにでも出ているように思っていたのか。
とりあえずは『ドラえもん』にも出てきたことがあるらしく、小説に嘘を書いていたわけではなく、少し安心した。
藤子不二雄で思い出したが、子供の頃、母が「家の光」という雑誌を購読していた。
そのついで、というわけではないだろうが、私にも「こどもの光」という雑誌を取ってくれていた。
その「こどもの光」、非常に面白くて、あますところなく熟読していたのだが、そこで連載が始まったのが「キテレツ大百科」だ。
この漫画はとても面白く、コロ助も可愛くて大好きだった。
ドラえもんのジャイアンに当たるのが「ブタゴリラ」。今にして思えば、ヘイトに近い渾名ではないだろうか。
あとでわかったことだが、発行元の「家の光協会」が農協系の出版団体であったため、「こどもの光」は一般書店では取り扱いがなく、連載当時には「キテレツ大百科」はマイナーな作品だった。
そのため友人に話しても、だれもキテレツ大百科のことは知らず、歯がゆい思いをしたものだが、小学校高学年になったときに、「キテレツ大百科」はテレビアニメ化され、一気に有名になった。
そうなったらそうなったで、ファン心理として「僕はずっと前から注目していたのに」と一抹の寂しさを覚えるものだ。
友人がしたり顔して「コロ助がね……」などと言おうものなら、(このにわかファンが)などと心の中で毒づいていた。
ファン心理というものは、古今東西変わらないものなのだろう。
※この記事は小池東京都知事とは一切関係はありません。
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