
【雑記】また行きたい松山市
愛媛松山の愛光中学の受験は、塾の先生に引率してもらった。
本人は初めての福岡空港からの飛行機で大興奮だったそう。親に似ず飛行機乗るのが好きでなによりだと思う。
前日は好き嫌いのために、用意してもらった弁当を食べられず、塾内でもすっかり悪目立ちしていた様子。
見かねた先生にパンを買ってもらって、なんとかやり過ごすが、試験当日そのパンを忘れて昼飯を食べずに受験したらしい(アホ)。
後日ラ・サールで「君、愛光中も受けたよね?」と同級生に聞かれた。
聞けば、クリームパンまで他の子にあげると言っていた息子を見て「クリームパンも駄目なの?」とその子を驚かせたそう。
「愛光の校舎は綺麗だったよー。すごくよかった」
本人は初めての飛行機&松山で上機嫌だった。未だに四国に足を踏み入れたことがない妻に対して、「お母さんは四国初心者だからね」とわけのわからないマウントを取る始末。
私自身、松山は仕事で何度も行ったことがある。
時間がなくて、松山城にも、坂の上の雲ミュージアムにも、道後温泉にも行けなかったのが、本当に心残り。
次に四国に行ったときには松山城と坂の上の雲ミュージアムは押さえておきたい。坊っちゃんゆかりの道後温泉にも。
それにしても松山市はすごい。
坊っちゃんの作中であれだけディスられたにもかかわらず、「坊っちゃんゆかりの地」などと町おこしにそれを利用するなんて、商魂たくましいというか、懐が深いというか。
作中で坊っちゃんは、山嵐と共に、赤シャツ、野だをボコボコにした後、汽船で松山を発っているが、その際に「その夜おれと山嵐はこの不浄な地を離れた」と「不浄な地」呼ばわりまでしている。夏目金之助は、松山出身の正岡子規とは友人関係で、松山に赴任していた時も一緒に住んでいたくらいだが、そこまで言うほど気に入らないことが松山であったのだろうかと勘繰ってしまうくらい、松山のことを悪く言っている。
ちなみに漱石先生、この作品中でうらなり君の赴任先の延岡のこともディスっている。
あまりにひどいので、全文掲載すると、
延岡と云えば山の中も山の中も大変な山の中だ。赤シャツの云うところによると船から上がって、一日馬車へ乗って、宮崎へ行って、宮崎からまた一日車へ乗らなくっては着けないそうだ。名前を聞いてさえ、開けた所とは思えない。猿と人とが半々に住んでるような気がする。いかに聖人のうらなり君だって、好んで猿の相手になりたくもないだろうに、何という物数奇だ
ここまで言うとは、延岡もとんだとばっちりを受けたものだと思う。
いっそのこと、延岡も「猿の住む町」とか言って宣伝すればよかったのかもしれない。
延岡だけではない。大森までも、坊っちゃんの八つ当たりのとばっちりを受けている。
初めて松山に着いたとき、坊っちゃんは、
見るところでは大森ぐらいな漁村だ。人を馬鹿にしていらあ、こんな所に我慢が出来るものか
と松山と同時に大森までも秒殺している。
先日大森に行ったが、駅前にはビルが立ち並んでいて、今となっては「漁村」とはとても言えない場所になっている。
まあ、坊っちゃんがなんと言おうと、今となっては松山は気候が温暖で次回是非行ってみたい魅力的な場所の一つである。
そうそう、愛光中学の受験が終わったあと、飛行機に乗る前の息子から電話がかかってきた。
「ねえねえ、お土産を買ってきていい?」
息子がお土産を買ってきてくれるなんて、なんと殊勝な心掛けだと思ったが、心の中で(一六タルト以外がいいなあ)などとむしのいいことを考えてしまった。
「うん、いいよ」
「やった。ありがとう!」
なぜお土産を買うのにお礼を言われるのか、わからなかった。言うなら、お土産をもらったあと、我々が「ありがとうだろう」に。
息子が帰ってきて、理由がわかった。
坊っちゃん列車のペーパークラフトですか。
「我々への」お土産ではなく、「自分のための」お土産だったわけね。はいはい。
いいなと思ったら応援しよう!
