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【雑記】純粋な読者として小説を読む時のことを考えてみた(5)
ざっくりとだが、冒頭部で読む読まないの判断をして、先に読み進める小説は、全体の30%以下だろうか(当社調べ)。
ということは70%の小説は冒頭部で判断して、切り捨てられていることになる。
小説は最後まで読んでもらわなければ話にならない。
それなのに、70%以上の小説は書き出しを読まれただけで、放り出されるのだ。たとえその先に心を打たれるような話が続いたとしても、あっと驚く結末が待っていたとしても、冒頭部で引きつけられなければ、その先はないのだ。
翻って考えてみると、自分の小説もそうやって判断されて、かなりの人数の方に放り出されているのだろう。
当然基準は人によって千差万別なので、私と同じ基準(描写・カタカナ嫌い等)の人もいるかもしれないが、まったく違う基準の人もいるだろう。
そして、先を読まなくなる理由は、読者の数だけ無数にある。
書き手としては、できるだけ多くの人が好まないであろうとする方法を避けるのが賢明ということになる。
ただし、冒頭部をクリアすれば、最後まで読んでもらえる確率は上がる。
どこかで「竜頭蛇尾でもいいから、とにかく書き出しに力を入れて」というのを読んだことがあるが、実際その通りだろうと思う。
冒頭部で先を読ませるかどうかという要素は、小説にとって一番大切な要素ではないだろうかと改めて思うのだ。
冒頭部についていろいろ考えていたら、自分の反省のようになってしまった。
(続く)
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