
【雑記】今年のゴールデンウィーク ~ 雨が降った場合 ~
信じられないかもしれないが、息子は筋金入りの「雨男」である。
学生の頃は、雨が降ると「おまえ、雨男だろ」、「いや、おまえのほうこそ」なんて冗談で言い合っていたが、息子の場合は本当にシャレにならないのだ。
息子が生まれる前のこと。
妻と二人で旅行に出かける際に、前日天気予報をチェックしていたのだが、「雨」になっていても、計画は断行するようにしていた。
実際に、翌日出かけると、最初は雨でも晴れになることがよくあった。
「おれたちは、晴れ男と晴れ女だね」
と冗談で言ったくらい、ここぞ、というときには晴れになってくれた。
たとえば、息子が塾に行っているあいだ、妻と二人で出かけるが、たいてい晴れだ。出かける前は雨が降りそうな感じでもやがて晴になるし、雨が降っていても現地に到着するころには晴れている。
まさに、全日本晴れ男・晴れ女協会に認定証を発行してもらってもいいくらいの晴れ男・晴れ女夫婦なのである。
ところが、この晴れ男と晴れ女夫婦に、息子が加わると、状況は一変するのである。
息子が5年生のころ、日曜日にテストのない日が月に一回あった。
その日に日帰り旅行を計画するのだが、なぜか決まって雨が降る。
「この日にわざわざ雨が降らなくてもいいでしょ」
と恨み節を言いたくなるくらい、天気が崩れる。
天気予報が晴れの今日こそは、と思っても、途中から雨が降り出す。
天気予報が、晴れでも曇りでも雨でも、出かけると、雨。
息子がいると、かなりの確率で、雨。
ツバメが低空飛行するよりも、カエルが鳴くよりも、猫が顔を洗うよりも、正確に雨を降らす。
雨、雨、雨。まさに、真性のアメフラシ。
あまりに極端だったので、一度冗談で
「君が雨男だから、こんなに雨が降ってんじゃん。どうしてくれんの?」
と言ったところ、
「僕だってどうしようもないんだよ」
と言って、しくしくと泣き出した。
いやあ、泣くこたあないだろうよ、と思ったが、シャレにならないので、以降はその冗談は封印した。
6年生になっても、息子の雨男ぶりはいかんなく発揮された。
久しぶりの休日だ。天気予報は晴れ。準備万端。さあ出かけよう。
と出かけると、途中から雲行きが怪しくなり、ポツリポツリと振りはじめ、やがてザーザーとどしゃ降りになるのである。
車内も微妙な空気になり、過去に泣かれた私たちも、その話題には触れようとしないが、
「ねえ、これって、みんな、僕のせいって思ってんだよね?」
などと、息子のほうから、あえて爆弾を投下するようなことを言ってくる。
「だから、たまたまだって」
と言ってフォローするが、正直つゆほどもそんなことは思っていなくて、きっと彼が雨男だからだ、と内心で思っている。
その気持ちを息子に悟られたくなくて、
「君はここでツイてないから、きっと他でいいことがあるよ」
「そうそう、次のテスト、いい点数取れるんじゃない?」
と妻と一緒になって息子を慰めるのが、もはや休日の恒例行事のようになっている。
芥川龍之介風に言うと、
皆さんは私の話に、怪訝の念を持つかも知れない。が、これは事実である。寸毫も疑いのない事実である。
ってな感じである。
このように驚異的な神通力を持った息子なので、休日の計画を立てるときには、「雨が降る前提」で計画を立てたほうが現実的だ、ということを、昨日の記事を書いた後に、思い出してしまったわけである。
本来であれば、雨が降ったときにどこに旅行に行くか、候補地をいくつか書いて検討しようと思ったのだが、息子の雨男ぶりを説明をしているうちに、文章が長くなってしまった。
雨が降ったとき、どこに旅行するかは、また今度考えることにしよう。
いいなと思ったら応援しよう!
