肉体労働体験記

例のごとく、金欠の私はtimeeというアプリで所謂「スキマバイト」をしてみた。

場所は自宅から自転車で1時間(結構遠い…)、仕事の内容は荷物の搬送?正確に言うと、食材のはいった段ボール(一個15kg以上あったと思う)を永遠とローラーに乗せる作業。

やる前はたかを括っていた、一応私はトレーニー。

今はほとんど出来ていないが、一時期はジムにも行っていた。

だがそんな私の自信は一瞬にして打ち砕かれた。

一個持つのも億劫な重さのダンボールを5時間!休みはあるものの、ぶっ続けで持ち続けるのだ。

つまり必要なのは単純な筋力ではない、筋持久力の方が圧倒的に重要な仕事だった。

これは骨が折れる…

否、本当に折れかねない程の重労働だった。

控えめに言って地獄、これじゃあ小林多喜二が蟹工船を書くのも無理はない。

福本伸行の漫画がリアリティを帯びてるのも無理はない。

周りには外国人とおそらく軽度の知能障害を持った人々。

主任はおばさんだった。

雰囲気はそう、ラピュタに出てくるドーラそのまんまだ。

そして顔はアンパンマン。

いや、それはしょうがない。なぜなら仕事場が冷蔵倉庫であり、ほっぺと鼻が赤くなるからだ。

そして信じられないくらい声がデカかった。

あれはまさに人間サイレン、Jアラートの代わりになるくらいの声量だった。

業務内容こそ身に堪えるものだったが、人はよかった。

思っていたよりも皆仲が良く、雰囲気は全然悪くなかった。

ちなみに断っておくが、一般に肉体労働者と言うのは地位が低く差別的に扱われる。

しかし私は肉体労働者に対する差別は一切ない

それだけは断言できる。

なぜなら、肉体労働がなければ社会は回らないからだ。

さらに言うと会社員、ましてや芸術家よりもよっぽど社会にとって大事な存在。

尊敬できる。

まずもって、肉体労働者はサラリーマンよりフィジカルにおいて圧倒的に優位。

絶対に出来ない。

サラリーマンに今回私がやった仕事は出来ない。

私も弱音を吐いてしまった。

普通人は、辛い時に辛いとは言わない。

でも出た。口から勝手に「辛い」と言う言葉が出てしまった。

それくらいキツい。シャレにならないくらいキツい。

甘ちゃんだ。

あまりにも甘い。

今の仕事、カフェの店員、楽すぎる。

忘れてはならない。

我々の快適な生活の裏では、肉体労働者が身を粉にしていることを。

称えられて然るべきだ。

はっきり言って割に合わない。

これだけ体を使って働いて、カフェとそこまで時給が変わらないなんて。

さて仕事帰り、そのまま帰るわけにはいかなかった。

必要、自分へのご褒美、快楽。

ようやく分かった、カイジの気持ち。

帰り道、私はびっくりドンキーに寄ったのだ。

(私は一応未成年であるからお酒は飲めない)

そして頼む、満喫セット!

カフェラテにチーズハンバーグ、味噌汁にパフェという贅沢。

嬌奢の極み…!

幸福!それは幸福の体現…!

圧倒的満足感…!

だが消える、給料の4分の1、1600ペリカ(円)!

猛省、It、猛省!

だが!寝た!

当然、これだけ体を働かせれば寝る。

今回はこれで終わりなのだが、最近ちょっと福本伸行に寄せすぎなので自重します。


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