幸あれ

午後3時、共産党の選挙演説カーに起こされる。

約20時間の断食、これでは頭は動かぬ。

近所のコンビニに出向く。

昼食でも夕食でもない、よく分からない飯を買うためレジに行く。

そこには70歳くらいのおばあちゃんがいた。

お会計は999円。

おばあちゃんは言う。

「999円なんて珍しいね、何かいい事ありますよ。人生まだ長いんだから、これからです。」と。

まるで俺の今までの人生を知っているかのように、そう言ったんだ。

やはり長く生きていると、その人がどんな人生を歩んでいるのか分かるのだろうか。

俺は励まされると同時に、悲しい気持ちになった。

おばあちゃんの言葉には、「私はもう長くない、いい事もなくただ死んでいくだけ」と言う意味が含まれていたからだ。

どうか俺と、おばあちゃんの人生が少しでも良かったと思えるものになりますように..

若干嘘松ツイートっぽくなってしまったがこれは事実。

そして事実とは概して、脚色された虚構より遥かに残酷なのだ。

それでも我々は願わなければならない。

例えその根拠が、塵芥のような幸運に見られる希望だったとしても。


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