中距離ランナーのパフォーマンスアップの秘密
どうもこんにちは。本日は陸上3,000Mの選手のパフォーマンスが上がった施術のポイントをお伝えしていこうと思います。
『パフォーマンスがあがる』という表現ってなかなか広い意味がありますよね。
今回は、施術によって今までより
・走りやすくなる
・呼吸がしやすくなる
・疲れにくくなる
それによって、結果的にタイムが伸びるといった感じのイメージを持って頂ければと思います。
1.まずは目的の確認
タイムの向上のために選手の肩甲骨の動きをスムーズにして欲しい。と、実は今回の選手は指導者からオーダーが入っていまして、施術目的が明確でした。
肩甲骨の動きや胸椎の動きの重要性を理解している指導者!
そこを練習の中から施術の必要性を感じているのはさすがの一言です。
こちらも説明しやすいですし、選手も理解しやすくてgoodです。
2. 何に困っているのか
では肩甲骨の動きが悪い事でこの選手が何に困っているのかと言うと、走っている最中に肩が上がってくる(肩で息をしている様な状態)→上手な呼吸法ができない→段々辛くなってくる→タイムに影響が出る
というのが困り事の様です。
さらには、左足のシンスプリントを発症しているといった既往歴があります。
3. 肩が上がってくるという事は
僧帽筋や肩甲挙筋が過剰に緊張を起こしている状態でこの選手は案の定、斜角筋や胸鎖乳突筋も過緊張を起こしていました。
肩や首の前側の筋肉を固めた状態で3km走るって考えただけで辛そうですよね。
この場合、フォーム指導で肩を下げて走るように指導しても中々改善が難しく、勝手に上がってきてしまうといった事態になります。
こういう時に整体は役立ちますね。
4. なぜ肩が勝手に上がってしまうのか
ここがポイントになってきます。
施術をされている方は色々な考えが浮かんでくると思いますが、この選手の場合に1番目立ったのは肩関節の伸展の可動域が狭く伸展させていくと代償的に肩をすくめるような動きがありました。
と、言うことは肩関節を後ろに引きやすくさせてあげる、言い替えると肩関節を後ろに引くのを妨げている要因を取り除いてあげると、僧帽筋の代償運動が減っていく→肩のすくむような走り方が改善されるといった考えのもと、施術の組み立て方をしていきます。
5. 施術で狙ったポイント
参考までにこの選手の施術で狙ったポイントを(分かりやすいように筋肉で)ご紹介します。
・大胸筋、小胸筋
・三角筋前部繊維
・肩甲下筋
・季肋部、横隔膜
・腹直筋、腹斜筋
筋肉的には上記のポイントを狙うことによって肩関節の伸展可動域の拡大により僧帽筋や肩甲挙筋の過緊張の改善、大・小胸筋、胸鎖乳突筋、斜角筋の過緊張の改善により胸郭の動きが改善し、胸の拡がりが大きくなり、結果的に競技中の走り方が楽になりタイムが縮まりました。
さらに、骨盤の左回旋(右の骨盤が前に出てる)も改善され、左足の負担が減りシンスプリントも痛みなく走れたとの事でした。
6. 大切なことは方法ではなく・・・
選手のメンタルは競技に大きく関わります。
手技療法の介入で動きが良くなった事実により、気持ちも前向きになり、より良いパフォーマンスを発揮する事にも繋がります。
正直、方法やテクニックなど世の中無数にあります。
これが最善かなんて分かりませんし、分かり得ません。
でも、相手によっては「分かりやすさ」ってのも必要な要素なのではないでしょうか。
7. こんな感じで選手をみていくと
選手はもちろん指導者の評価も上がり、どんどん選手を紹介してくれるようになりました。
私自身競技によってはフォームなど分からない事も多いので、そういう時は選手にどのようになったら嬉しいかを正直に聞いていき、選手と一緒に施術を組み立てていく方が近道かと思っております。
もちろんその競技への理解やその為の勉強は大切です。
8. まとめ
パフォーマンスアップについて書いていきましたが
それが『リカバリー』なのか『アップ』なのかというのは、基準の置き所によって変わると思うし、今回は構造的な施術について主に書きましたが、
手法が大切なのではありません。
その手法によって選手がどのような影響を受けるかを考えながら行うのが競技者を支えるものとして私が大切にしている事です。
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