仕事スキルアップと収入
私は国立大学を2004年に卒業したが、就活というものをしていない。大学入学の時点でも「大企業に就職しよう!」という考えはなかった。4年間のプレシャスタイム&自由を口にできる特権階級時代は新幹線のように早く過ぎ、学びが専門化する3年生頃からは研究室での時間も友達やイベントに使う時間も増え人生を豊かにするうえで非常に重要だと振り返る。
その重要で貴重な時間を、名前と売上高くらいしか知らない大企業就職への内定を取るために使うことが違和感だらけだった。
現在中小企業の取締役という立場で、採用面接をする中で即採用する人物は学歴ではないと言い切れる。学歴ではなく、遊びやバイト、転職を通じて「自分が何を学んだか?」をはっきりしゃべることができる希望者は即採用する。重要なのは学び方を知っているかどうか?第三者的(メタ)視点を持って自分と周囲を捉えられるか?だと思う。
私の同級生は8割が内定をもらっていたが、18年経った今も同じ会社に勤めている人は30人中2人だった。ここで伝えたいことは、就活の面接官は将来の自分の上司ではない。面接段階では働き出した時の先輩も上司も、ミッションも何も見れないし選べない。つまり内定をもらった大企業でも自分の意志で選べない環境に苦悶して離れる人は多いということだ。これは大企業でも中小企業でも一緒。人間関係でやめるか?それすらも課題解決していくか?という部分は授業で教わるものではなく、友達関係や部活/サークルやイベント運営の経験で養う能力ではないかと思う。
大企業は業務範囲が広いので部署が多く、面白そうな部署はあっても配属されるかは入社してのお楽しみ。中小企業で伸びている企業は、「私たちはこれで商売してます!」という強みがはっきりしており、それがどう社会に貢献しているかを知ることがたやすい分、入社前の見学で十分理解できる。
日本の企業の97%は中小企業。3%が大企業。選ぶ先は圧倒的に中小企業の方が多い。自分が興味を持てる会社を探す努力は怠ってないか?もう一度振り返ってほしい。
給与で就職先を選んではいけない。私は中途採用者以外で、給与条件を交渉する方を見たことが無い。でも、私の場合交渉されれば十分検討するし、逆に見込みを感じる。私の持論は、毎月「業務の意義を考えず働いてもらえる給料」で「できる生活」をする(住む・食べる・着る・育てる)ことは、えさを与えられて育てられている家畜と変わらない、だ。給料や報酬は絶対に「ありがとう」の対価でなければならない。そのためには自分が担っている業務がどう?誰の役に立っているのか?を理解して仕事をすることが重要だ。その考え方を持っていない中小企業は社会の家畜同然なので、自分の意志で離れるべきである。そして、こんな仕事が社会に必要だ!と思ったら起業するのもアリだ。
もし給料が低いと感じたら、自分が販売している商品やサービスを①詐欺まがいなやり方ではなくもっと価値を高めて高く売って利益を増やす②パワハラのような駆け引きではなく、原価を下げて利益を増やす③活動スタイルを変えて経費を減らし利益を増やす④販売総量を増やす ことができれば給料は必然で上がる。中小企業なら一人当たりの影響が大きいからなおさら昇給のチャンスはある。
日本は転職に抵抗が強いが、外資系は転職が当たり前。自分のスキルと豊かな人生を過ごすためにスキルを学び/磨き続けて自分をセールスしてよりよい環境へステップを進めていく。どうか就活が人生最大の分岐点と思わないでほしい。通勤や休憩も含めて1日10時間を費やす「仕事をする時間」は寝たり家族と過ごす時間よりも長い。この時間を不平不満を言いながら過ごすのは、本当に豊かな人生と言えるだろうか?
仕事が順調にいくことは全ての仕事の3割もないだろう。必ず何かしらの問題や課題、より良くする努力が必要となることの方が圧倒的に多い。それを自分が「よりスキルフルになるためのチャレンジ」と捉えられればその先の自分はより厚みのある人格になっているだろう。
大人になっても遊びは大事!仲間は大事!家族も大事!
全てにおいて経済的な余裕が必要ならば、まずは仕事スキルを集中的に身に付けて「私はこういうことができる人間です!」と胸を張って言えるようになることが大事だ。