見出し画像

思索性

学生時代に建築家である青木淳の本を読んだ。

本には青木淳がどのような考え方で建築をデザインしているかという背景となる思索性について書かれていて、学生時代の僕はその思想を少しでも理解したくて何度も本を読み返していた。

大学卒業後、社会人になった僕は会社の長期休暇を利用して青木淳が設計した青森県立美術館に旅行で訪れた。学生時代に読んだ本の記憶を思い出しつつ実際に青木淳の建築空間を体験した。

サカナクションの山口一郎が音楽を語る際に評価の指標として表現における作為性というものについて度々言及しているが、僕が学生時代の建築設計課題で常識に収まらない奇抜なデザインを提案した際に、指導教授から何故そのような形が良いと思うのかを言葉で明確に説明出来なくては君のデザインを高くは評価出来ないと指摘された。

青森県立美術館を訪れ、建築のデザインに触れる事で、本に書かれていた青木淳の思索性への理解を深める事が出来た貴重な経験だった。