#13 これはもう昼ドラ級のインパクト
全74話とボリュームある『グレンダイザー』の物語の中で、今回紹介する第25話とその後に続く前後編の3エピソードは熱い! まずはデュークの元カノ・ナイーダが見せる圧倒的に絶望的な愛の物語から。
<▼前回の記事はこちら>
第25話「大空に輝く愛の花」
◉かつての恋人に命を狙われるデューク
研究所近くの森に巨大なUFOが不時着。調査に向かった甲児くんとデュークはベガ兵に追われる女性宇宙人を発見。救出してみると、彼女はかつてのデュークの恋人だったベガ星人のナイーダでした。
まさかの再会をデュークは有頂天になって歓び(過去最大級に饒舌なデュークも見もの)ますが、ナイーダはどこか暗い表情のまま。実は彼女、ベガ大王によって洗脳され、デュークを裏切り者と思い込んでおり、ベガの支配から脱走したふうを装って、デューク暗殺を果たすために送り込まれた刺客でした。
まだ残るデュークへの愛おしさと裏切り者への憎しみの間で、密かに苦悩するナイーダは、せめてグレンダイザーだけでも破壊しようと試みますが、それもデュークに見つかってしまいます。厳しく問い詰められたナイーダは、デュークが故郷を見捨てた裏切り者であると思っていることや、過去にデュークが倒した円盤獣には、捕らえられたフリード星人の脳が使われていることを告白します。そして円盤獣ギルギルには彼女の弟・シリウスの脳が使われていたことも。
◉主人公の見るに堪えない錯乱姿
ショックの余り思考停止してしまうデューク。ナイーダは頭に埋め込まれたコントロール装置を介し、ガンダルに命令されるままに木偶の棒と化したデュークを滅多打ちにします。幸い駆け付けた宇門博士や甲児くんたちに助けられるものの、衝撃の事実はデュークの精神を崩壊させてしまうのでした。
▶円盤獣ダリダリ
今回、エピソード中では呼称が明らかにされていませんがWikiなどによれば、こいつがダリダリ。多数のミニフォーを従えて宇宙科学研究所を襲撃する巨大爆撃型円盤獣です。ワルモノ絵では円盤形態から頭部だけ展開させた状態を描いていますが、関係資料によれば変形後のラフ画もあるようです(なんとかして見てみたい)。具体的な戦闘に入る前にお供のミニフォーともども爆発してしまいますので、グレンダイザーとは一戦も交えず。
◉愛を償えば別れになるから、こんな女でも忘れないでね
ダリダリが進軍する中、緊急手術によって、コントロール装置を取り除かれたナイーダ。ただ渦中の記憶をまったく覚えておらず、デュークが自分の言動のせいで精神錯乱に至ってしまったことを知り、その償いをするために乗ってきた円盤獣のもとへ向かいます。
円盤獣に乗ると陽子爆弾をセットし、研究所に向かってやってくるベガ星連合軍の大部隊に向かうナイーダ。
電気ショック治療であっさりまともに戻ったデュークは急いでナイーダの後を追いますが、彼女はデュークの呼びかけには応えてくれません。ナイーダは彼が正気に戻ったことを知って安堵の笑みを浮かべながら、ダリダリとミニフォーの大群へ特攻し、デュークの目の前でとてつもない規模の大爆発とともに散っていきます。まさにそれは「大空に輝く愛の花」。なんと悲しく虚しい花でしょう。
◉死んでもデュークのことは譲れないナイーダ
そういえばナイーダは研究所を飛び出す直前、錯乱状態で喚き散らすデュークを心から心配するひかるの様子に気付きます。その時に
こんなやりとりあるのですが、もう、このナイーダの一言が、この後の命をかけた特攻を前にした、シンプルかつ最強の捨て台詞になっててズルいなあと思いました(笑) この一言は、ひかるちゃんの胸の中に"永遠に越えられない恋のライバル"としてナイーダを刻み込んだ気がします。
がんばれ、ひかるちゃん!
30分の子ども向けアニメにしては、超絶濃いお話だったなー・・・と
満腹感にゲップが出そうになりますが、次回、第26・27話は更に!
【余談】『グレンダイザーU』ではどうなる? ナイーダ
7月から始まるリブート版でも、ナイーダの登場が決定しています。コスチュームなど出で立ちはTVアニメ版を踏襲しているようですが、役柄はホワイターの侍女になってたりして、微妙に違うようです。どんな関わり方をしてくるのか、気になります。