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【一幅のペナント物語#18】なぜそこに桜島を描き込まないのか?
◉庭園というのもモチーフとしてチラホラ見かけるなーと。兼六園とかのペナントも手元にある中、この聞き覚えのない「磯庭園」をピックアップ。これみよがしにドカーン!と金色に輝く島津の家紋もあるし、ちょっと不安な書体だけど「かごしま」とも書いてあるので、場所はいわずもがなだけど、こんな名前の庭園は聴いたことがない。「ISO」の文字もドヤ感満載だけど、僕のメモリーからは規格名称しか思い浮かばない。黒字に青で描かれた風景もネガ写真っぽくって、相変わらず謎の色チョイス。
◉調べてみると「磯庭園」というのは通称というか愛称のようで、正式な名前は「仙巌園(せんがんえん)」。ペナントには全く表記がないので、わりと愛称のほうがポピュラーなのかもしれない。築園は1658年(万治元年)というからかなり古い。島津家第19代・光久によって築かれた島津家の別邸なんだそうだ。「磯庭園」の愛称は、1949年(昭和24年)に施設の管理を島津家が鹿児島市に委託。市が一般公開するにあたって磯にある公園ということで「磯公園」という名前にし、その後再び民間運営になった際、公園という名称が使えなくなったため「磯庭園」に改称して今に至るということらしい。詳しい話は、仙厳園さんのHPに譲ろう。
◉ペナントに描かれているのは「御殿」と言われている建物で、島津家の本邸だったり、時には迎賓館的な使われ方をしたようだ。その手前にひさご池と石灯籠なども描かれている。石灯籠は獅子乗大石灯篭と鶴灯篭のふたつがあるようだが、イラストからはどちらか特定しにくい。ひさご池のそばにあるのであれば獅子乗りのほうっぽいけど、獅子らしき描きこみがないのでなんとも・・・。この磯庭園、庭園から望む対岸の桜島の姿が、めちゃくちゃエモいのだけど、これをペナントに入れないのが不思議でたまらない。ペナントのデザインを決める過程って、どんな感じだったんだろう。
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