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【一幅のペナント物語#50】空の下、アートを巡る旅がしてみたくなる

◉ミュージアム系のペナントを紹介するのは初めてだと思う。博物館や美術館も観光目的地のひとつに成りうるわけで、そういう意味でペナントがあるというのも頷けるが、あまり見かけないカテゴリーかもしれない。モダンなデザインの中に文字要素は「THE HAKONE OPEN-AIR MUSEUM」のみ。直訳すると「箱根屋外博物館」になってしまうのだけれど、お察しの通り箱根の「彫刻の森美術館」のことである。

◉正直このペナントのデザイン「美術館のわりになんか手抜きじゃない?」という気もする。それは僕に芸術的なセンスが無いということなのかもしれないけど、スカイブルーやマゼンタの部分とか、なんなんだろうなーと思ったりするわけで、でもそういうことを考えるのがアートの本質なんだろうな、なんてことで自分を納得させたり。

◉実際、最近知り合いの企画したイベントで、同じアート作品を複数人で見ながらそれぞれが感じることを言葉にして共有しあう、というような時間を過ごしたのだけれど、凄く充実した時間だった。「そもそもアートとの過ごし方ってこういうところに意味があるんじゃないか」と気付かされたというか。学校の美術の時間って、絵を描いたり、塑像を作ったり、なんだか制作技術を磨くことに重きを置かれている印象があるけども、それはどっちかというとステップ2であって、まずはアートから何を受け取るかという感性を磨くことに時間を割くべきじゃないか、とあれ以来思っている。その上でアートを通して自分のメッセージを伝えたい!と思った子たちが専門的な学校で制作スキルを身に付ければいいんじゃないの?と思う。全員がアーティストになりたいわけじゃないんだから。そんなこともあって、こういうものにも興味が湧いていたりする。目の見えない人だってアートを楽しめる。対話の力を使えば!

◉いつものように脱線してしまったのでペナントに戻ろう。このシンプルで抽象的なデザインの中で唯一具体的なモチーフとなっている彫像について、まあ最初はロダンの作品とか?と浅い知識で考えていたのだが、美術館のHPによれば作者はエミール=アントワーヌ・ブールデルというフランスの方(1861-1929)。なんとロダンに師事していたそうで、テキトーに「ロダンかなー」とか言ってたので驚いてしまった。

作品名は「雄弁」。4コイチの作品のうちの1つ。箱根には4体が野外展示されているようだが、全国各地にもいくつか存在してる模様(こういうのって原型から幾つか鋳造するってこと?)。

こちらは福岡市博物館のやつ(出典:『関西の野外彫刻』より)
この方のサイト、他にも多数の屋外彫像コレクションがあって面白いです!

数ある展示物の中で何故にこれがピンポイントでモチーフになったのかは謎だが、もしかしたら4コイチの他の作品バージョンのペナントも作られたのだろうか。

◉この「彫刻の森美術館」、岡本太郎御大の作品もあるし、うちの地元の美術館にもある伊藤隆道氏の作品もあるし、摩訶不思議な作品がたくさんある。HPを見てたら、とても行ってみたくなってしまったのである。どんなインスピレーションをもらえるのか、誰に教わるでもなく、自分の感じるままを楽しみにいってみたい。


【余談】こちらの方のブログ、各作品についてブログ主なりの視点で言語化されていて楽しい。



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