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迷いなき正義の味方たちの時代。

最近は1958年に放送された『遊星王子』をちまちまと観ています。東京タワーとチキンラーメンが誕生し、缶ビールが日本上陸、皇太子妃に美智子様が選ばれたこの年、日本最初の異星人テレビヒーローとして『月光仮面』に続いてブラウン管に現れたのが、遊星王子です。

日本では前年に劇場スクリーンに宇津井健さん演じる『鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ)』が、異星人ヒーローとして先に登場していましたが、アメリカの代表的異星人ヒーローであるところのスーパーマンは、さらに遡ること20年前に誕生(コミックスが1938年、実写映像としては1948年)してるんですね。1938年といえば僕のオカンの生まれた年。日本は国家総動員法が公布されて戦争へと突き進んでいく頃。漫画はまだ『のらくろ』とかの時代です💦 そう考えると20年の隔たりは結構デカいですが、とはいえ、戦後間もないこの時代にこういうヒーローをお茶の間に届けようとした制作陣のチャレンジにはリスペクトしかありません。

実際、日米のヒーロー誕生ヒストリーはどんな感じなんだろうと気になって調べてみました。それが以下の図。とりあえず1938年から1974年までをまとめています。

日本のテレビヒーローとアメコミヒーローの誕生年表

比較的知名度の高いキャラクターを中心にリストアップしているので、漏れているものもあるかと思いますが、それでも日本のほうは1960年代後半から怒涛の勢いでヒーローが誕生しているのが分かりますね。国内でのカラーテレビの普及と歩調を合わせるようにして増えている印象です。

表に収めきれなかった1975年がちょうど50年前ということで、ひとつ前の記事で紹介した『秘密戦隊ゴレンジャー』をはじめ、『正義のシンボル コンドールマン』『冒険ロックバット』『仮面ライダーストロンガー』『アクマイザー3』などが半世紀のアニバーサリーを迎えます。

時代の移り変わりに合わせて、正義と悪の定義も多様に変化し、最近のヒーロー番組では複雑怪奇な物語が多くなってしまいましたが、昭和の時代はとてもシンプルです。ワルモノはワルモノらしく、ヒーローは堂々とヒーローでした。それは日本でも欧米でも同じような気がします。

正義だと思っていたものがそうではなくて、ワルモノだと思ってたものが実は正しかったり、現実の世の中でもそんなことが増えてきました。SNSなどの普及で誰もが客観的なモノの見方を装着できるようになったので、今まで見えていなかった世の中の仕組みが明らかになってきていることも関係があるのかもしれません。

トランプ大統領の復活でアメリカでも多様性尊重社会やSDGs概念の再構築などが始まっています。まあ個人的にはゲイのスーパーマンとか、黒人の人形姫とかはやり過ぎだと思っていたんですよね(作品として創られることを否定はしないけど観ようと思わないし他者にも薦めない派です)。一方でプリキュアに男の子メンバーが入るのも、ミニーがパンツを履くのは別にいいんじゃない?と思っています。同性同士の恋愛だって無問題。ただ、この先、日本でも既存のキャラクターの性を変えてリブートするとか、そういうのは見ないだろうなと思います。

話がちょっと脱線してしまいましたが、コンプラ以前のおおらかな時代のヒーローたちは堂々と輝いて、悩むことなく明らかなワルモノたちを懲らしめてくれるので楽しいです♪


トップの一発ラクガキ絵は、遊星王子とスーパーマンの架空の邂逅を描いてみました(笑)


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