俺のヒーロー
今からでも間に合うだろうか?
ぼくは3歳の時の記憶が一番古い。つまり初めての世界との繋がりを強く意識し始めたときである。
とはいえ、当時は親が見せてくれたヒーロー番組のことしか覚えていない。
そのヒーロー番組の中で特にカッコよく、今でも憧れているのがスーパー戦隊21番目の電磁戦隊メガレンジャーに出てくる、メガシルバー/早川祐作まだスーパー戦隊に追加戦士が出始めの頃の初期の追加戦士で、作品全体に影響しない一般人が変身する最初の追加戦士。
本来は天才システムエンジニアとして、メガレンジャー5人をサポートする立場でありながら、自分も戦いたいと、勝手にプロトスーツを改造して参戦し、オイシイところを持っていく。
またメガレンジャーの高校生5人のよき兄貴分としても慕われている。
とにかくカッコよくてずっと憧れている。
今でもずっと。
でも、メガシルバーで絶望したことが1度あった。
それは自分が25歳になったこと。
メガシルバーは25歳の設定で、自分が25歳になったときに何一つとしてメガシルバーに近づけてないこと、22年という時間を無駄にしてしまったことに、すごく絶望した。
エンジニアになった?芸能界に入って自分自身が追加戦士になれた?慕ってくれる人はいる?
なにもなかった。
借金し体はデブで何の技術もスキルもない。
どんどん遠ざかる。
でもヒーローになりたい。