スコアブックー早稲田式と慶応式-
2019シーズンが開幕して一か月。プロ野球では日々熱戦が展開されており、観戦にも熱が入る。私はスコアをつけながら観戦するのが趣味であることは以前述べたが、今回はもう少し細かい話を。
スコアブックの記入法が二種類あることはご存じだろうか。
一般的に野球のスコアブックといえば、上の画像をイメージされる方が多いと思う。こちらは早稲田式という。書店で並んでいる「スコアブックの書き方」といった本はほとんど早稲田式を解説している。それに対して下の画像は慶応式という。主に日本のプロ野球で用いられる記録法だ。記入法が二種類あるとは知っていたが、慶応式の解説がほとんど世に出回っておらず、詳しい内容はわからずじまいだった。
2017年6月、NPBが突然「NPB式スコアブックの記入方法」を公開し、私のようなスコアマニアは驚いた(と思う)。謎に包まれていた慶応式記入法の詳細がついに明らかになったのだ。慶応式の成り立ちについては【記録員コラム】スコアブックを語る~温故知新~に詳しいのでぜひ一読いただきたい。この記録員コラムは野球の記録にまつわるマニアックなポイントを解説してくれて大変読みごたえがある。
ここまで掲載したスコアの画像は同じ試合を早稲田式と慶応式両方で記入したものになる。こうしてみると随分印象が違う。早稲田式はマス目の中がベースで区切られており、安打が/、本塁打が◇などビジュアルにわかりやすい。一方慶応式はどことなく機械的なイメージ。アウトになっても得点になってもマス目いっぱいに記入するのが特徴的だ。どちらが優れている、といったことはないので、馴染むほうで記録すればよいのではないだろうか。私個人としては、システマティックで定規のいらないNPB式に最近のめりこみつつある。
おすすめアイテム
ここで私が使っている記録アイテムをご紹介
早稲田式のスコアブックといえば成美堂出版。いろいろな種類があるが、最近はバインダー式のこちらを使用。用箋バサミ(バインダー)は屋外で机のない観戦席での記録に必要なアイテム。
以前ご紹介した西武ライオンズ・ファームの綺麗なスコアを書いておられる藤原さんが使っているペン。プロが使うペンということで、まずは形から。
慶応式のスコアブックは、NPBが公式の「NPBオリジナル スコアブック」をついに発売。通販のほか、野球殿堂博物館に入ってすぐ左にある自販機でも購入できる(入館料不要)。また、印刷して使用できるPDFのデータも提供されている。この場合、普通のコピー用紙だとペラペラなので、私の場合は少し厚みのある漫画原稿用紙に印刷している。