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ペット飼育 猫より犬の物件が多い訳

写真は、私の愛猫です。保護猫として飼い始めて7年経ったのですが、可愛くてしかたないです。

ここ数年は猫の人気が高いですよね。10年くらい前までは犬の飼育頭数のほうが多かったのですが、2017年あたりから逆転して猫の飼育頭数が多くなっています。
2020年時点の国内の飼育頭数は、犬が約848万頭・猫が約964万頭です。

ペットが飼える賃貸物件、いわゆるペット可物件は、昨今増えてきました。
空室問題の解決策として有効な方法の一つですが、不動産市場でペット飼育可の物件には、「小型犬1頭」という制限の物件が多いのが実情です。
飼育頭数では猫のほうが多いにもかかわらず、ペット可物件の7割くらいが犬、しかも小型犬に制限されています。

分譲マンションでも同じことは言えます。最近の新築マンションでは犬猫両方OKも多いですが、築10年以上の中古マンションは、小型犬のみ、と管理規約で決まっていることが多いです。
実際、私も数年前に物件購入するときに、ペット可物件をいろいろ見たのですが、体調60センチまでの小型犬1頭に限るなど、猫は飼えないマンションが多かったことを記憶しています。

分譲マンションは、管理規約で定められていて仕方ないのですが、賃貸マンションの場合は、貸主(大家)が決めることはできます。
しかし、それでも小型犬のみの可としている物件が多いのには理由があります。
それは、大家にとっては、猫のほうが賃貸リスクが高いと思われているからです。

そのリスクとは何か・・・
「臭いによる近隣からの苦情・鳴き声による苦情・爪とぎによる建具や壁の損傷」などです。
では、これらのリスクが、実際は、小型犬と変わらない程度であれば、どうでしょうか?
空室対策でペット飼育可にするのであれば、データ上、猫のほうが飼育頭数は多いことが明らかですから、猫を飼育可にすれば、より空室対策効果はあります。

◇臭い
猫は、元来、綺麗好きな生き物です。そのため、猫自体に悪臭はありません。私は犬も好ですが、どちらかというと、犬のほうが獣臭はします。
これはなぜか・・猫は、暇さえあれば、自分の体をなめて毛繕いしています。たしかに、尿の匂いはきついですが、猫は決められたトイレ以外で用を足すことはありません。猫の砂などが入った消臭トイレで用を足しますので、匂いがいつまでも室内に残ったり、壁に染み込んだりはしません。

◇鳴き声
猫は、様々な表現で鳴きます。嬉しいとき、甘えたいとき、悲しいとき、お腹がすいたとき、それぞれ微妙に鳴きかたが違います。
そのため、通常の鳴き声の場合は、近隣に迷惑をかけるほどの音量ではありません。
しかし、発情期は独特の鳴き声になりますので注意は必要です。
そのため、去勢手術をしている、或いはするということを賃貸借契約条件に入れることは大切です。

◇爪とぎ
猫は必ず爪をとぎます。爪を切るのも大切ですが、ペット商品で市販されている専用の爪とぎを置いておきことが必要です。
それでも、柱や建具で爪とぎをしようとすることはあります。この点は、退去時における借主負担となるため、契約書の内容で貸主のリスク回避をしていきます。

これらは、いずれも入居者となる飼い主のしつけや意識が一番のポイントになります。
たとえば、トイレなどもそうです。
こまめに清掃していれば問題はありませんが、清掃しない、いい加減な飼い主だと、猫も粗相をする可能性はあります。
しかし、犬や猫に罪はありませんよね。
トイレ掃除・換気・去勢・爪とぎ、原状回復、これらの事項を、契約書の特約事項に入れることがポイントです。
そして、念のため、敷金は通常時より多く預かった上で、賃貸契約書にはペットによる傷の修繕を明記しておきます。
さきほどの爪とぎのように、当初からある程度の傷は見込んで、予防線を張っておくことで大家のリスク回避になります。

猫飼育を可にすると、もう一つメリットがあります。それは長期間の入居になる可能性です。犬は人に付き、猫は家に付く、と言いますが、猫を飼育している人はそのことを良く知っているため、よほどの事情がないと、安易な引っ越しには踏み切れません。
大家からすると、早期で入れ替るより長く入居していただくほうが良いですよね。
猫飼育可とすることで、入居期間を長くする効果は期待できます。


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