![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/172814529/rectangle_large_type_2_12de1176e559fb3bd86ee9cf145232b1.jpeg?width=1200)
Mercedes Benz W201に乗ろうと思った(2)
Volvo XC40は都内で走っているとそれなりに横幅は感じるものの、以前のV70に比べれば運転フィーリングも気に入り、いかにもVolvoらしい快適な乗り心地で家族の評判もよく、5年間快適に乗っていた。ただ、自分としては何故か、SMAVOのシステムのせいだろうか、家族を運ぶための車を借りているという気持ちで接してしまい、車に対して愛着を持つという感覚を持てなかった。何だか満足しない中、私も50歳台にさしかかり、これから何台車が乗れるか、できれば自分が想い入れを持てるような車を選んで乗りたい、と思いながら時間のある際に気になる車を探していた。今よりは小さい車にしたい、4WDから以前乗っていたBMWのことを思い出しFR車に戻りたい、その前に乗っていたスバル6気筒エンジンのような余裕あるエンジンフィーリングをまた味わいたいなどと漠然と思っていた。普通の車っぽいのにめちゃくちゃ早い車、例えば少し前の車でFR最終形のBMW M140iなどを探そうかなと思っていた。
そんな時ネットでカーセンサーの中の近所の自動車販売店のページを見ていた。立派なネオクラッシックカーでいつもガレージが埋まっているお店で、前を通る度、手が届かない車ばかりだなあと思いながら、たまに在庫車をWEBで追っかけていたのだ。その在庫車紹介のページに左ハンドル 2.6LのW201が掲載されていた。前回述べた自分が以前触れたW201の品質感を思い出して興味がわき、すぐ問い合わせをしてみたところ、各種整備前の状態だが今ならお店で見ることができるとのことだったので訪れてみることにした。考えてみればそんなに車を飛ばす年齢でも無いし、古くてもしっかりした6気筒の車ならそれも良いなと思った。
外からはよく見ていたが、お店を訪れるのは初めてだった。誰が購入するのか想像できないような圧倒されるコレクションの車がが並んでいてびっくりする。代表のKさんとご挨拶させていただき、お話ししてみると、とても気さくな方で安心した。ご家族で会社を経営をされているよう。W201はご近所のクライアントの方が大切に乗られていたものを引き受けられたとのこと。なんと品川33ナンバー。業界には詳しくない私でもこの車が大切に乗られてきたのであろうことは想像できる。
機関・内装などの整備はこれからということで一部内装は取り外されている状況。状態は良さそうな車という気がするがボンネットを開けていただいても素人の私には何とも判断しがたい。Kさんのご厚意で近所を一回りしていただく。古いメルセデスのシートをご存知の方は馴染みがあるかと思うが、スプリングの効いたシートの座り心地が今の車と全く違う。心配していたガタンガタンという変則ショックなどはなくしっかりした車体のフィーリング。思ったより静粛性が高く、コンパクトで取り回しが良さそう。内装カラー・ファブリックは今見るとヴィンテージ感が満載。全体的には好印象を持ったが、初見では何とも判断し難く、これから工場に行くとのことだったので内装が仕上がった段階でもう一度見ることとし、お店を後にした。
その日の夜、Kさんから携帯に着信履歴が数度あり、その後メールにメッセージが。私の後に来店した方が色々詳しく調べている方で、どうしてもこの190Eを欲しいとおっしゃっているので、申し訳ないが早々に判断をしてほしいとのこと。即答できる状況ではなかったので、お願いをして一晩時間をいただくこととした。
何とも唐突な話だが中古車販売の世界ではおそらくよくある話なんだろうと思った。そして、その晩調べてみるとネット上には古いベンツに関して数々のトラブルを紹介するが色々出ていて、私のような単なる車好きで整備など殆ど行ったことのない初心者が30年前以上の車を買って扱えるのかなと思い心配になった。
だが、調べる中で分かったのはこの時代の車はメルセデスの理念「最善か無か」が色濃く表現されているということ。そしてこの機会を逃すと今後それを自分が得ることが難しいだろうということなども考えた。一晩考え、整備に係る諸々の不安はあるもののKさんお店が近所にあるので何とか面倒を見てもらえるだろうと明るく考えた。翌日 Kさんに走り出しにあたって整備をしっかり仕上げていただくことをお話しするのと今後の整備を行なっていただけることを確認し、購入することとした。