
ウエスタンランドにある婦人服広告の話
皆さんは、ウエスタンランドに婦人服の広告が貼れているのをご存知でしょうか? それがこちらになります。

もちろん、こんなドレスはパーク内では売られていません。この広告は、世界観を演出ための所謂小道具です。ではどのようにして世界観を演出しているのでしょうか?
まずはドレスの形状に着目してみましょう。
ドレスの特徴として、引き絞ったウエストや釣鐘型のスカート、大きく膨らんだ袖が見られます。膨らんだ袖は、アリエルやジゼルのウェディングドレスで見覚えのある方もいるでしょう。
これらの特徴からこのドレスは、19世紀後半に流行したアール・ヌーヴォー•スタイルのドレスであることがわかります。ミュシャと同じ時代と言えばわかりやすいかもしれません。
西部開拓時代は19世紀はですから、まさにウエスタンランドを彩る生活感にピッタリの広告ですね。
ちなみにアール・ヌーヴォーの次はアール・デコと言われており、ワールドバザールにあるセンターストリート・コーヒーハウスはアール・デコ様式のお店です。つまり、ワールドバザールはウエスタンランドよりも未来の時代なのですね。
次は文面についてです。英語なので、ひとまず日本語に翻訳しましょう。Googleレンズを使ってみると、上からこんな感じになりました。
『パリ、ニューヨーク、セントルイスの最新ファッションを着よう』
『上質な女性用ドレスを制作』
『オーダーメイド作業服:2~3日で』
『専門家による修理』
パリはアール・ヌーヴォー発祥の地であり流行の最先端。
ニューヨークは言わずもがなアメリカの大都会。
セントルイスについてはあまり詳しくなかったのですがミズーリ州にある都市だそうで、我らがウォルトはミズーリ州のマーセリンで子供時代を過ごしています。幼い頃のウォルトには、セントルイスは憧れの最先端都市に見えたかもしれませんね(※私の妄想です)
『開拓』はとても厳しいものというイメージがあります。実際そうだったのでしょう。ビーバーブラザーズのカヌー探検やウエスタンリバー鉄道から見える開拓者の小屋が燃えている様は、それをよく表しています。
そんな中だからこそ、流行りの服に身を包みたいという気持ちを持つ人は多かったはず。更に深堀りすれば、命の危険がある開拓地で、人間が生きるために築き上げた文明社会が香るものがある。そのことに安心感を抱いたことでしょう。
この商売は、そんな開拓地で生きる人達の心を支えたはずです。
以上の二点から、こちらがウエスタンランドの世界観を演出するのに相応しい広告だとわかります。また何かそういった広告や看板を見つけたら、noteの方で紹介したいと思います。ご覧下さりありがとうございました。