冬休み、年末年始におすすめの一人旅
旅行が好きです。この前昨年の手帳を見返していたら、宿泊を伴う旅行にちょうど20回行っていました。その多くは一人旅です。これまで行って良かった場所を5か所上げます。冬休みや年末年始に「一人旅してみたい、したいけど、どこ行こうかな~」と思っている方がこのnoteを参考にしてくれたら嬉しいです。
各場所のおすすめルートも書いています。関東から一泊二日をイメージしております。
アップしている写真は私が実際に行った時のものです。あまり綺麗ではありませんが、ご容赦ください。
真鶴
東京から東海道本線で1時間半。神奈川の西端であり、真鶴駅のあとは湯河原駅、熱海駅と続きます。真鶴に行くのであれば、まずは宿を抑えましょう。真鶴出版さんです。というか真鶴出版さんありきで真鶴は行くべきです。私は近く3年ぶりに行く予定です。
真鶴出版さんでは宿泊ゲストにまちあるきを行ってくれます。私も泊まった際に参加したのですが、古くからの細道が残っていたり、干物屋(ここで買う干物がめちゃくちゃ美味しい)さんがあったり、非常に穏やかで優しい空間が広がっています。この空間、空気感、時間の流れ方が心地よい街です。
夜ご飯は紹介いただいた「割烹 福寿司」さんでいただきましたが、いくつか紹介していただいた記憶があります。私は酒があまり飲めないので、ご飯を食べた後はひたすら部屋で本を読んでいましたが、いくつか居酒屋さんもあるみたいですので、そこで一杯も一興かもしれません。
翌日はバスで「真鶴と言えば三ツ石」「三ツ石と言えば真鶴」と言われる(真鶴観光協会より)らしい、三ツ石を観て、帰宅の途へ。東京方面の電車で帰宅すると途中に小田原があるので、歴史が好きな人は小田原城を見るのもよいかもしれません。
おすすめルート
1日目:
まちあるきの時間に合わせて真鶴出版着→まちあるき→夜ご飯(飲みたい人は居酒屋)→(温泉に入りたい人は隣の湯河原駅で日帰り温泉)→部屋でひたすら読書
2日目:
三ツ石を見学→帰宅(小田原駅で途中下車して小田原城見学もよい。私はそうした)
いわき(いわき湯本温泉)
これからの時期は美味しい魚が出回りますが、私は冬のいわき旅行で「あんこう鍋」の美味しさに心惹かれました。まずはあんこう鍋が食べられる旅館を探しましょう。私が泊まったのは「美笹」という旅館です。
一人からでもあんこう鍋を出してくれますし(〆の雑炊が本当に美味しい)、平日だと少しお値段が安くなるので、金曜日に有休を取って、金・土で旅行に行くのがベストだと思います。
いわきは炭鉱の街でした。元々炭鉱で石炭を掘り出しているときに湧出してきたのが温泉。しかも豊富に出てくる。これを活用したのがあのスパリゾートハワイアンズです。
そこで旅館にチェックインする前にいわきの歴史を学ぶために「化石館ほるる」に立ち寄りましょう。坑道なども残っており、いわきがどのように発展していったのか、どんな街なのかがよく理解することができます。
翌日は湯本駅から2駅、いわき駅に行きバスに乗車。福島県にある国宝、白水阿弥陀堂に足を伸ばします。バスの本数があまり多くないので、時間に気をつけながら美しい庭園を見に行きましょう。
一度いわき駅に戻り、再びバスに乗車して今度はいわき震災伝承みらい館に向かいます。いわきも東日本大震災の影響を受けた街の一つ。卒業式の日に震災の被害を受けた小学校の黒板など忘れてはいけないあの日の記憶あります。
難点は昼食です。いわき駅周辺にはこれといったご飯屋さんがなく、居酒屋ランチを食べた記憶です。駅前に商業施設があるので、その中にもレストランが何軒かあった記憶ですが、前日のあんこう鍋を存分に楽しんでおきましょう。
おすすめルート
1日目:
(午前中に上野公園の美術館とか博物館を見るのもよい)→上野駅で駅弁購入→特急で湯本駅→化石館ほるる→旅館チェックイン→温泉&あんこう鍋
2日目:
湯本駅→いわき駅→(バス)白水阿弥陀堂→いわき駅(昼食)→(バス)伝承みらい館→いわき駅→特急で帰宅
松本&長野
ド定番ではありますが、特に松本はやっぱりいい街です。城を中心に整然と落ち着いています。東京からもあずさに乗って3時間弱、旅行という感じです。
新宿から特急あずさに乗って松本へ。まずは「栞日」に行きましょう。ブックカフェになっており、ここで空いた小腹を満たしつつほっと一息つきます
「栞日」でほっと一息ついたら、再び歩いて松本城へ。住んでいない街を歩くことは楽しいことです。スマホで調べずに道にある案内板や道路標識を頼りに歩くのもまた面白いと思います。
松本城は人気観光地なので、入口で並んだり、中に入ってもじっくり見られないこともあるかもしれません。一人旅のいいところはすべてを自分で決められることです。松本城に限らず、観光は朝一番やお昼、夕方にし、食事はちょっと早く(お昼なら11:30とか)、遅く食べたり(14:00)してスムーズに回れると思います。
松本城を見学したら昼食。松本城から駅に向かう途中にはいくつか食事処があります。長野ですので、蕎麦を食べましょう。蕎麦。
昼食を摂ったら松本城近くのバス停から向かうは松本民芸館です。一度日本民藝館に行ってから、旅行先に民芸館があれば必ず立ち寄っています。人が日常で使うものが美しいのは生活を豊かにする人々の知恵の結晶なのだと思います。
ぜひ現地に行ってほしいのですが、「美しいものが美しい」という丸山太郎氏の言葉が突き刺さります。人の営みを日常生活に根付いた道具を通して長い歴史で見ることができるのが民藝の良さなのだと思っています。
民芸館を見学したらバスで松本駅へ。篠ノ井線で長野駅へ。およそ1時間。途中には日本三大車窓(らしい。電車移動好きなのですが、そういったことは詳しくない)の姨捨駅からの善光寺平を見ることができます。全国でも珍しいスイッチバックの駅でもあります。
長野駅に着いたら1日目終了。市内に温泉などはないので、宿にこだわりがなければビジネスホテルでもよいと思います。
2日目は善光寺へ。私が行ったのは前回の七年に一度の御開帳のとき。本来は2021年だったのですが、コロナの影響で一年延期に。次回開催はまだ発表されていないようです。
上述した観光地は混む話は御開帳にも当てはまっているので、もう朝一に行きましょう。頑張って起きましょう。御開帳ではなければ自分の都合に合わせるので十分だと思います。
善光寺の裏手には県立美術館があり、東山魁夷館もあるのでそちらまで足を伸ばすのもよいと思います。もしもう一泊できるのであれば、戸隠や渋温泉もよいです。
おすすめルート
1日目:
特急あずさで松本へ→栞日でお茶をしばく→松本城→昼食→(バス)松本民芸館→松本駅→長野駅
2日目:
善光寺→長野県立博物館→新幹線などで帰宅
※もう一泊できるのであれば渋温泉や戸隠神社もおすすめ
木曽路(奈良井・妻籠・馬籠)
私は読書が趣味なのですが、島崎藤村の『夜明け前』を読んだときの書き出しがあの有名な「木曽路はすべて山の中」でした。この作品が発表されたのは大正時代。舞台設定も幕末から明治にかけてであり、さすがにすべて山の中は言いすぎだろと思っていました。
なかなかな山の中です。今でこそ道路は舗装され、建物も林立していますが、これらがないと思うと道の周りを山が囲んでいる、いや山の中になんとか道を通したというほうが正しいかもしれません。
木曽路は五街道のうちの一つである中山道の一部を指し、奈良井、馬籠、妻籠は当時の面影を残す場所として見どころが多いです。
新宿から特急に塩尻まで行き、そこから中央本線に乗換。奈良井駅で下車。目の前に奈良井宿が広がっています。
当時の旅人になった気分で奈良井宿を往復しましょう。途中に蕎麦(長野なのでやっぱり蕎麦)屋がいくつかあるので、そこで昼食を摂ります。奈良井宿の見学が終わったら、電車に乗って木曽福島駅へ。木曽福島にはいくつか旅館があるので、ここで泊まります。私が泊まったのは蔦屋さんです。
木曽福島には関所跡や代官屋敷跡もあるので、チェックインして荷物を置いたら見学に行くのもよいです。木曽福島にはコンビニやスーパーもあまりないので、ご飯付きの旅館を選んでおいたほうがベターです。
翌日は木曽福島駅から南木曽駅へ。バスに乗り換えて妻籠宿へ。妻籠宿を散策したのちに次は馬籠宿へ。この馬籠宿は坂道になっているのですが、上から下っていく形になるようにバスを下車することをおすすめします。
たまたま乗っていたバスに私と一緒に行っていた友人(一人旅でなくて申し訳ないです)しかいなかったので、運転手さんが気を遣ってくれて「このバス停で降りると、宿場を下るかたちで見学できるよ」と教えてくれたので、助かりました。バス停の名前は残念ながら憶えていません。
藤村記念館の見学や食べ歩きをして、馬籠宿を下まで降りていくと中津川駅に行けるバス停があります。それに乗って中津川駅に行き、名古屋を目指します。名古屋駅でひつまぶし、味噌カツ、エビフライ…何か食べて新幹線で東京へ。帰りは21時を過ぎた記憶がありますが、十分1泊2日で回れます。
おすすめルート
1日目:
新宿から特急あずさで塩尻→乗り換えて奈良井駅→奈良井宿見学→木曽福島駅→旅館にチェックイン→荷物置いて関所跡、代官屋敷跡見学→旅館でのんびり
2日目:
木曽福島駅→南木曽駅→バスで妻籠宿→妻籠宿見学→バスで馬籠宿→藤村記念館など馬籠宿見学→バスで中津川駅→名古屋駅→名古屋メシ→新幹線で帰京。
長崎
1か所くらい関東からだと飛行機がマストのところを入れておきます。私が一人旅をするようになったのは大学生のときなのですが、おそらく一番旅行に行っているのが長崎だと思います。数えたら4回でした。それでも何回行ってもいいところです。
羽田発の長崎行の便はJALで7:30発、9:30着があります。空港から長崎駅前まではリムジンバスで1時間くらいかかりますので、着くのはスムーズに行って10:30過ぎ。もう昼ご飯食べに行ってしまいましょう。ちゃんぽん。中華街(路面電車で)に会楽園というお店があります。記憶が確かならカウンターがあって、一人でも入れる雰囲気でした。
ちゃんぽんを食べてエネルギー補給したら、歩いてグラバー園、大浦天主堂へ。この2つは隣り合っているのでセットで行きましょう。
長崎は三菱重工業に代表されるように日本の近代発展に大きな貢献を果たした土地である傍ら、キリシタンの弾圧や原爆投下といった歴史も背負っている街です。それらが隣り合って、現在に至っていることを感じさせてくれる土地です。
見学が終わったら歩くか、もしくは路面電車で出島へ。江戸時代に日本で唯一外国との接触が許された場所が復元されています。
ここのあたりになってくるとちゃんぽんの効果が切れてくるので、どこか喫茶店で休みつつ、次に向かうのは原爆資料館。長崎(広島も同様ですが)に来たならば、ここに目を背けてはならない。一度足を運ぶべき場所だと思います。
平和に旅行を楽しめるありがたさを心から実感しつつ、1日目は終了。夜は一人だと行きにくいので、私も行ったことはないですが、稲佐山の夜景を見たり、ジャパネットが建設した長崎スタジアムシティで試合がやっていればサッカーやバスケを観に行くのもいいですね。私が行きたいです。
2日目は市外に足を伸ばすのですが、ここが難しい選択。一つは軍艦島。世界遺産にも登録されている炭鉱の島。グラバー園の近くの港から周遊&上陸ツアーが開催されています(海の状況では当然キャンセルになる可能性があります)。
もう一つは外海(そとめ)地区と呼ばれる隠れキリシタンの関連遺産がある地域です。長崎市ではあるのですが、1日目で回る市街地と違い、開発も進んでおらず、公共交通で行くとするとバスしか選択肢はありません。
ド・ロ神父記念館で案内してくれた方にも「長崎市に住んでいる人でもあまり来ないし、そもそも世界遺産の関連遺産に登録されていると知っている人も少ないので、よく来たね~」と言われました。
正直申し上げて私も最初から外海地区を知っていたわけではなく、遠藤周作記念館に行きたいと思い、検索したところ関連遺産があることを知り、だったらと旅程を組みました。
長崎市内からバスで遠藤周作記念館へ。ご承知の通り遠藤周作と長崎は『沈黙』で強く結ばれています。
遠藤周作記念館は道の駅そとめと併設されているので、見学が終わったらレストランで昼食。バスの本数は多くないので、時間を見ながら。
バスで出津文化村へ。出津文化村には外海歴史民俗資料館やド・ロ神父(キリスト教宣教師であり福祉に従事した人)記念館などいくつか見るべき施設があります。
飛行機の時間、空港へ向かうリムジンバスの時間から逆算して長崎駅へのバスを考慮し、見るべきところを絞っていくのもよいと思います。外海地区は専用の観光サイトがあるので、詳細はそちらでもご確認ください。
長崎は西九州新幹線が発着するのにあたり駅周辺の再開発が進み、上述通りジャパネットのスタジアムシティ開発もありと行くたびに発展しているのが目に見えて分かります。初めて長崎に行ったのは大学生のときでしたが、そこから約10年経った昨年行ったときには駅周辺の発展に驚いてしまいました。
おすすめルート
1日目:
飛行機で長崎へ→中華街でちゃんぽん→グラバー園&大浦天主堂→出島→原爆資料館→ホテル→(夜は興味があれば稲佐山やスタジアムシティでスポーツ観戦)
2日目:
軍艦島orバスで外海地区(遠藤周作記念館、出津文化村)
※もう一泊できるのであれば佐世保やハウステンボスもよいと思います。
以上です。皆様の参考になれば嬉しいです。