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金村美玖写真展「みとめる」に参加して


日向坂46金村美玖個人の写真展「みとめる」が神保町のNew Galleryで開催されている。
(9/10-10/6)。
(*全日程予約で完売,当日券が出る程盛況に終了しました) 
彼女は加入から今現在まで変わらず人気メンバーであり,小坂菜緒活動休止時の代理センターや表題曲センターでのパフォーマンスも定評があるものの,常に自分に自信なさげな表情もみせてきた(それが定番の「負け顔」としてまた人気なのだけれど)
そんな彼女が自らの個展につけたタイトルが「みとめる」なのも必然と思える。

会期中唯一タイミングが合った9月12日12時-13時入場の回に参加した。

会場前に11時15分頃に到着したが,その日最初の回だったためまだ扉も閉まっており,流石に早すぎて待っている人もいなかったため本当に開催されているのか分からないくらいひっそりしていた。
その後入場10分前に戻ってくると既に10数人程度の列が形成されていた。

入口でチケットを提示し,特典のフォトカードと金村本人の解説が書かれたパンフレットを受け取りながら写真撮影可能な作品の説明を受けた。

ちなみに外から会場入り口付近を撮影すると撮影禁止作品が映り込んでしまうため,並んでいる時は撮影をしないで下さいとの注意があった。

会場入り口側以外の3壁面に2023年冬/春/夏/秋 2024冬のパートそれぞれの時期に金村が撮影した風景,セルフポートレートが展示されていた。

パンフレットを読みながら時系列に作品を見ていると,一年を通してその時期のグループの活動状況と金村の心情がリンクするかのように異なる表情が映し出されており,感心しながらあっという間に一巡してしまった。

当初会場の広さ,作品数から何巡かしてもすぐに見終わってしまうだろうと思っていたのだが,ある一つの作品のせいでなかなか出口に向かうことが出来ないでいた。

2023年秋 本人の解説では「この頃からまた陰に入る」との時期の,ある一つの写真に深く惹きつけられたからだ。
この時期はグループとしても連続で出演していた紅白歌合戦の落選が発表された時期でもあり,メンバーの多くが活動に対する自信をなくしていたことはファンにも知られており,金村もそうであったことは想像に難くない。

その写真には金村の顔が全て映っているわけではないのにも関わらず,心に渦巻く迷いや不安を見事に切り取っていた。
何度も帰ろうとしては(他の方に怪しまれないように)またこの写真の前に戻ってしまった。
こんな体験は奈良美智展でMiss Margaretという絵を観た時以来だった。

他には撮影可の鏡の展示があり,鏡に映る自分を(半強制的に)見つめなおさせられるのだけれど,鏡に映った自分の写真を撮ると,金村と比べて自らの被写体としてのレベルの低さを見せつけられて悲しくなった。

今回の作品は一部を除き受注生産で購入可能であり,会場でカタログを見て注文,支払いをし,後日配送で届くシステム。小さいもので8800円程度(額装付き16000円程度),写真撮影可の桜の写真のような大きいものでは18万円!の値段がつけられていた。個人的にはおおっ..と思ってしまったけれど,同じ入場回で購入している人も数人見かけた。熱いファンからしたら自宅に金村作品を飾れるのならばなんて事ない額なのかもしれない。

全体的に真面目で実直な金村らしい作品が並ぶ素晴らしい空間であった。SNSで参加した人の感想を見てもこの「素晴らしい空間だった」という表現がよく見られるほど,本当にそうだった。

今はセルフポートレートの形で「金村美玖」本人のバックグラウンドが投影されており,ストーリー性が作品の評価に上乗せされている気もするが,いずれ他人をモデルにした作品でも同じようなストーリーを感じさせられるようになるかが「写真家」としての金村の勝負所ではないだろうか。

とりあえず丹生明里卒業写真集のカメラマンをお願いします。



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