大川隆法さんの新作小説は、「幸福の科学」を批判したライターが宇宙人に改造される話
前回までのあらすじ
1991年、講談社の雑誌『フライデー』が、「連続追及 急膨張するバブル教団『幸福の科学』大川隆法の野望」というシリーズを載せました。
これを書いたのが、「早川和廣」というライターでした。
すると、1992年に、『マンガで見る「幸福の科学」』という本が発売されて……。
この本に載っていたのが、カズヒロというジャーナリストが死ぬ話でした。
このカズヒロ、生前は『フルイデー』という雑誌に「連続追及! 仏陀を名のる教祖の秘密!!」という記事を書いておりました。
しかし、カズヒロが死ぬと、実は、この「仏陀を名のる教祖」が本物だったということが分かります。
「あいつが……仏陀ッ!?」
てことで、カズヒロの『フルイデー』の記事は、大勢の人々を「真実」から遠ざけてしまう大罪だったのでした。
なので、カズヒロは地獄行き。
大阿鼻叫喚地獄にて、生皮をはがされたり、溶けた鉄を口から流し込まれたり、ありとあらゆる苦しみを1000年以上受け続けるそうです。
カズヒロの再来
と、『フルイデー』のカズヒロは1992年の話だったのですが……。
あれから30年。「幸福の科学」は今日も元気です。
11月3日に発売された大川隆法さんの書き下ろし新作小説『揺らぎ』。
この作品に登場する、ライターの石倉冬介という人物が、ライターの藤倉善郎さんをモデルにしているようです。
(そしてひどい目にあわされます)
個人的には、もう少し名前を似せて欲しかったところですが……。
実在の藤倉さんは北海道大学中退のところ、小説の石倉さんは青森大学中退という設定で、緯度と偏差値が下がっています。
『○洋経済』で宗教批判した○倉さん
「石倉冬介」が「藤倉善郎」を意識したキャラクターであることは、「幸福の科学」を知る読者には伝わるようになっています。
たとえば、『東洋経済』の2022年10月8日号を見ると……。
藤倉善郎さんが「幸福の科学」を批判する、2ページの記事が掲載されていました。
この記事については、「幸福の科学」の公式サイトでも、「フリーライターの藤倉善郎氏の執筆では公平な論評を期待できない」という反論が掲載されていました。
そして、11月3日に発売された、大川隆法さんの小説『揺らぎ』を見ると……。
『西洋経済』という雑誌に2ページの宗教批判を書いた、大学中退の石倉というフリーライターが登場するのでした。
さすがに偶然の一致とは考えにくいというか、たぶん本人も時事ネタとして書いているレベルかと存じます。
それにしても、10月3日発売の『東洋経済』の2ページの記事が、11月3日発売の大川隆法さんの小説でネタになっているのですから、恐ろしいフットワークの軽さです。
(自分の出版社を持っている教祖でもなければ、このスピードを真似するのは難しいと思います)
小説の部分的な紹介
発売されたばかりの小説なので、以下、詳しいストーリーなどにはなるべく触れない方向で、気になったポイントを紹介させていただきます。
(※一部ネタバレが含まれます)
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