「飛影はそんなこと言わない」は、本当は言ってない件(岡田斗司夫さんの記憶違い)
「飛影はそんな事言わない」の初出
「飛影はそんな事言わない」というフレーズが最初に広く世に知られたのは、たぶん、1997年3月出版の『オタクアミーゴス!』ではないかと思います。
この本の中に、「幽遊白書ファンのAV」という見出しの2ページの記事がありました。
その内容が、次のような感じで……。
と、変わったビデオの紹介をする流れで、「飛影はそんな事言わない」というフレーズが出てきたのでした。
それで、
『幽遊白書』の飛影好きの女性が出演したアダルトビデオがある
女性の趣味に合わせて、男優が飛影だという設定で絡んだ
その最中に、女性が「飛影はそんな事言わない」とダメ出しした
この話のうち、1と2は本当なのですが、紹介されているビデオを実際に見ると、3のシーンはありません。
本当は、「飛影はそんなこと言わない」とは言ってないのですよね。
この時点で、岡田斗司夫さんの記憶の中にあるビデオの内容が、実際の内容と違っていたようです。
補足:岡田斗司夫さんの紹介と、実際の内容の違い
ビデオについてのオタクアミーゴスの紹介は、大筋ではだいたい合ってるのですが、細部は色々と違っていました。
たとえば、岡田斗司夫さんによる、次の発言。
実際のビデオでは、「幽助が見てるぞぉ~~~~」という男優さんに、女性が「ううん、これ誰も見てない。俺たちだけの……世界だって」と答えています。
それから、岡田斗司夫さんによる、次の発言。
「もう俺たちは別れない。一心同体だ」というような発言は実際のビデオにはなく、「帰って来れなくなっちゃう」という感じでもありませんでした。
ビデオでは、スタッフが「オレ、眠くなってきたよ」と強引に終わらせようとしたところ、女性が「じゃあ、いっしょに寝ようか」「おちち吸いながら寝てもいいぞ、飛影」と引き止めていました。
(蔵馬はそんなこと言わない)
それに対してスタッフが、「わかるだろ。この世界ではここまでなんだよ。今度、どこかの世界で、ほんとに、男と女となって、生まれ変わって、出会ったら、ほんとに愛し合おう」などと、適当なことを言って誤魔化します。
……という感じで、だいたいの雰囲気は合っているのですが、細部のストーリーは岡田斗司夫さんの脳内で補完・増量されているようでした。
ざっくりとした流れ
撮影時期も重要かも知れない件
ビデオの内容を信じるなら、問題の撮影が行われたのは1994年8月21日だったそうです。
だとすると、1994年7月25日に『幽遊白書』の連載が終了した1か月後くらいの出来事になります。
ビデオの中でも、女性が「なんか終わっちゃって」などと話していて、時期的な矛盾はなさそうです。
天候なども一致しますし、日付は本当っぽく思えます。
そもそも、この撮影は、女性がアダルトビデオの制作会社に「処女喪失ビデオに出演したい」と応募したことから始まったのですが……。
そのタイミングでAVで処女を捨てようと思い立ったのだとしたら、その行動が『幽遊白書』の突然の連載終了と無関係とは考えにくいという気もします。
少なくとも、撮影日の時点では、大好きだった漫画がいきなり終わったショックは確実にあったハズです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?