40年前のジャンプ打ち切り漫画『マウンドの稲妻』
『マウンドの稲妻』とは
1980年、『週刊少年ジャンプ』で『マウンドの稲妻』という野球漫画が連載しました。
問答無用のインパクトがあるので、一度読んだらなかなか忘れられないと思います。
主人公はスゴい体で、妙に童顔。
作者ペンネームの「GOSSAGE(ゴッセージ)」にも、なにか有無を言わさぬものを感じます。
1998年の『まんが秘宝』では、次のように紹介されていました。
結局、当然のように10週で打ち切りになり、単行本も発売されませんでした。
しかし、20年後に新作が発表されるくらいカルトな人気があって、前に紹介した『ロックンロールベースボール』よりは有名です。
(復刊リクエストで検索してみても、『ロックンロールベースボール』は3票で、『マウンドの稲妻』は46票でした)
前置き
と、80年代初頭にはけっこう有名なネタ漫画だったと思うのですが、世代的な問題なのか、ネット上に『マウンドの稲妻』の情報は少ないようです。
てことで、このnoteでも、一度『マウンドの稲妻』の話をしておきたいと思いました。
40年前の古雑誌を見る以外に読む方法がない漫画なので、かなりネタバレ多めで紹介させていただきます。
剛、登場!!
さて、『マウンドの稲妻』の主人公は、稲妻 剛(いなづま ごう)という少年。
イノシシをぷあんち(パンチ)で倒すほどのパワーの持ち主です。
ある日、人類史上最強の野球チームを作りたいという金持ちの爺さんが、剛のパワーを知ってスカウトに来ました。
そして、「負けたら入団する」という条件で、ハルクという打者と勝負することになるのですが……。
ハルクの「ハンマーキャノン打法」が炸裂。
剛はホームランを打たれてしまい、約束通り、爺さんのチームに入ることになりました。
しかし、それはそれとして、「このままじゃ おれの気がすまん!」ということで、ハルクに再勝負を申し込みます。
再勝負では、剛は「サンダーボンバー」という超球(ウルトラショット)を披露。
それを打とうとしたハルクは、めちゃくちゃ吹っ飛びます。
「やったぜえ! バットはコナゴナだあ」と喜ぶ剛。
そういうことを競うスポーツではないと思いますが、まあ人類史上最強ですからね。
なお、サンダーボンバーの原理は、
「ハルクに負けたのは、腕だけにたよってなげたからさ! からだ全体をつかってなげてみたら ああなったのさ!」
とのことでした。
剛の過去!!
ところで、山奥でイノシシと戦っている野生児の剛も、生まれたのは一般家庭でした。
しかし、ある日……。
「おれは あの連中をたたきつぶすまで かえれないんだ!!」と言い残して、父ちゃんが失踪。
「そして…… かあちゃんも 死んだ……」
ということで、両親を失った剛は、孤児院に入れられます。
それから、孤児院で虐待を受けたので、友達を連れて脱走。
「ふたりでこの山に夢の国を作ろう」と約束して、狩猟採集生活をしていたのでした。
そしてスカウトを受けて、人類最強を目指す球団「ボンバーズ」に加入することになったのですが……。
実は、そのボンバーズが、失踪した父親と関係があるらしいです。
と、次の試合に勝ったら、父親と会わせてもらう約束をしました。
VS全日本!!
その「次の試合」の対戦相手というのは、全日本でした。
12球団から選抜されたオールスターに対して、ボンバーズは9人しかいません。
さらに、1回表の全日本の攻撃時は、ボンバーズの守りは投手と捕手の2人だけで行うという特殊ルールです。
ボンバーズの残り7人は、客席から剛のボールを観察。
「なるほど」「じかにみると」「さすがに」「いいタマを」「ほうるぜ」
と、コナンの犯人より作画カロリー低そうな、ボンバーズの残り7人でした。
このページは、まるで小学校のクラスメイトがノートに描いてるマンガみたいです。
(歓声も「ブヒャー」「ウヒー」「ヌヒョー」と遊んでいます)
そして、守備2人で試合になるのかと思いきや、全日本は普通に3者連続で三振して、特に問題なく1回表が終了。
カープの衣笠選手も、剛のサンダーボンバーには手も足も出ませんでした。
と、この漫画では実在選手はクソザコあつかいなのですが、
わざわざ「村田投手が、よくつかう口グセです!!」と注釈を入れたりして、コケにしているのが実在選手であることを強調していました。
必殺技!!
ボンバーズの選手はみんな、剛の「サンダーボンバー」、ハルクの「ハンマーキャノン打法」のように特技を持っています。
たとえば、1番打者の伊加月は、バットをしならせる「バトルアロー打法」の使い手。
サードの竜崎は、
グローブのかわりにヌンチャクを使います。
まあ、ヌンチャクがグローブより使いやすいとは思えないので、卑怯という感じはしないのですが……。
センターの風選手がローラースケートを履いて守備範囲を広げているのは、普通にズルいと思います。
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