ネットから無料で閲覧できる国会図書館の資料が増えた件
「個人向けデジタル化資料送信サービス」開始
5月19日から、ネットから無料で閲覧できる国会図書館の資料が増えました。
というのも、昨年6月に「著作権法の一部を改正する法律」が公布されて……。
一般に入手困難な資料を国会図書館のホームページで読むことが、ある程度可能な法律に変わったのでした。
補足
元々、国会図書館では資料をデジタル化する作業が進められています。
デジタル化が済んだ資料については、実際に図書館に出向いても、紙の本を読むのではなく、図書館にあるパソコンのブラウザで読むという形になっております。
そして、その閲覧が、わざわざ図書館まで行かなくても、ある程度自宅のパソコンから可能になるというのが、今回の法改正でした。
たとえば
1956年~1957年の『月刊空手道』が、国会図書館のサイトで無料で読めるようになりました。
いちおうの利用イメージは次のような感じで、ブラウザから閲覧できます。
(書影を載せるのも微妙かもですが……)
この創刊号は、入手しようとするとヤフオクで2万くらい。
これまでも、図書館に足を運べば読むことはできました。
しかし今後は、デジタル化されたものを読むだけなら自宅から無料でOKと、かなり便利になったのでした。
漫画はダメ
ただし、「民間事業者によるビジネスを阻害しないように」ということで、ネットで読めるのは「一般に入手困難な資料」だけ。
漫画や商業雑誌も除外です。(法律上ダメじゃないけど、権利者保護の観点から、やらない方針)
たとえば、『少年キング』『冒険王』『まんが王』『週刊ぼくらマガジン』『別冊少年サンデー』『フレッシュジャンプ』『HOBBY's JUMP』『ギャグ王』『Gファンタジー』『たのしい幼稚園』『小学○年生』『週刊読売』『週刊現代』『週刊新潮』『週刊文春』『週刊ポスト』『文藝春秋』『朝日ジャーナル』『サンデー毎日』……といった資料は、すでにデジタル化されているのですが、今回の対象外となります。
(それらは、図書館に行かなければ読めません)
一方、『小説club』『心霊研究』『女学雑誌』『我楽多文庫』『映画テレビ技術』『アミューズメント産業』『遊技通信』『月刊国民生活』『新評』『広告批評』『映画評論』『ローマ字少年』『東京玩具商報』『月刊アドバタイジング』『サングラフ』『政界』『月刊状況と主体』『季報唯物論研究』『婦人生活』『子どもの文化』『釣之研究』『精神分析』『Pax』『浄土』……といった資料は、自宅で気軽に読めるようになりました。
例の挙げ方が雑で申し訳ありませんが、なんとなくの雰囲気は伝わるでしょうか?
登録が必要
このサービスは、18歳以上なら誰でも利用資格があります。
しかし、法律上、国立国会図書館に氏名・連絡先などを登録しないと使えません。
こんな感じで、ログインが必要です。
(3年以内に国会図書館を利用したことがあれば、すでに登録済みだと思います)
新規登録は、国会図書館のサイトからオンラインで可能。
「本人確認書類(免許証・保険証・マイナンバーカードなど)を写した画像」を送る必要があります。
なお、登録には少し待たされるようで、完了まで1週間くらい。
いまは新サービスが始まったところで、さらに時間がかかるそうです。
そんなこんなで
たぶん、人によってはかなり便利だし、人によっては特に使う機会がないと思います。
「明らかに自分には無関係」と感じるなら登録する必要もなさそうですが、もしかしたら、何かの用事で急に使いたくなるかも知れません。
新規登録には時間がかかるそうなので、とりあえず登録しちゃって、一度試してみるのもアリかなと思います。
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