見出し画像

最近4年くらいの『少年サンデー』の話

※この記事は1月17日に更新しました。
マガジンとしては「12月分の記事」のところ、更新が大変遅れてしまっており、大変申し訳ございません。

今日の話題

以前、こういうツイートを見かけました。

URL

なんか「いいね」が1000個くらい付いているのですけど、正直、すごく不思議なことを言っているように見えました。

今日は、その話だけさせてください。

 

時系列

まず、前の編集長が退任したのは、2021年10月13日。
小学館を退社したのは、2022年4月のことでした。

そして、先ほどのツイートは、2023年4月26日。

この号の発売日でした

つまり、編集長の交代から1年半も経ってからのツイートなのですよね。

2021年に編集長が交代した後で、2022年に始まった新連載が2003年に終わるのを見て、「トップが変わって派閥が一掃」などと言い出すのが不思議です。

 

(もう少し詳細)

確かに、その日発売の『少年サンデー』では、

  • 『ビグネス参式』が「次号、最終話。」

  • 『九龍城』が「次号、感動の最終回!!!!」

  • 『守崎あまね』が「残り3話!!」

という感じに並んでいました。

ワーッと終わるので、

みたいな感想が出てくるのも、分からなくはないです。

しかし、時系列としては、こんな感じ。

・2021年46号:市原さんが編集長を退任
2021年47号:大嶋さんが編集長になる
・2022年20号:(市原さんが小学館を退社)
2022年22・23号:『このマンガのヒロインは守崎あまねです』連載開始
2022年44号:『ビグネス参式』連載開始
2022年46号:『九龍城でもう一度』連載開始
・2023年24号:『ビグネス参式』『九龍城でもう一度』最終回
2022年26号:『このマンガのヒロインは守崎あまねです』最終回

「最終回まであと1-3話って予告打ってる漫画」は、いまの編集長になってから始まった新連載なのでした。

「2021年10月の編集長の交代」と「2023年4月の打ち切り漫画」は、関係なさそうに見えます。

 

誤解の原因

話がややこしくなった原因は、『十勝ひとりぼっち農園』にあると思います。
少し長くなるのですが、その説明もさせてください。

 

『サンデー非科学研究所』について

ジャンプの最後に『王様はロバ』や『ピューと吹く!ジャガー』が載るような感じで、いまのサンデーの巻末は、横山裕二先生のショート漫画になっています。

最初は『サンデー非科学研究所』という漫画で、

『週刊少年サンデー』2017年15号

サンデーの漫画家にインタビューしたり、横山先生が市原編集長に呼び出されてデートしたりする内容でした。

※やたら編集長とデートする話が多く、公式でも、巻末漫画のヒロインは市原編集長という扱いになっています。

最終回では、編集長から直々に単行本を出さないことを宣告されて、

『週刊少年サンデー』2017年45号

いまでも単行本は出ていません。
(現在は「サンデーうぇぶり」で全話無料公開されています)

 

『十勝ひとりぼっち農園』とは

その『サンデー非科学研究所』は、2017年45号で打ち切りになったのですが……。

『週刊少年サンデー』2017年45号

引き続き、新連載『十勝ひとりぼっち農園』がスタート。

『週刊少年サンデー』2018年1号

漫画内の描写だと、市原編集長から「漫画のネタのために十勝に引っ越して兼業農家になれ」と言われて、2017年12月に本当に移住。

『週刊少年サンデー』2018年1号

横山先生は、現在も十勝に住んでいるようです。

 

タイムシフト

その『十勝ひとりぼっち農園』の内容は、現実とタイムラグがあります。

たとえば、2017年12月の引っ越しの話は、2018年7月の『サンデー』に掲載。

『週刊少年サンデー』2018年32号(7/4発売)

2019年5月に親知らずを抜いた話は、2020年3月の『サンデー』に掲載。

『週刊少年サンデー』2020年17号(3/25発売)

そして、2022年4月に元編集長が退社したときの話は、2023年4月に掲載されました。

『週刊少年サンデー』2023年22・23号(4/26発売)

つまり『サンデー』に載った時点で、1年前の話だったのですよね。

そして、この回の掲載が、たまたま『ビグネス参式』や『九龍城』の連載終了と同時期になったことが、誤解を招いたようです。

繰り返しになりますが、

2021年10月:編集長交代
2022年4月15日:前の編集長が小学館を退社
・2022年4月27日:『守崎あまね』開始
・2022年9~10月:『ビグネス』『九龍』開始
・2023年4月:『十勝ひとりぼっち農園』で、1年前の編集長退社の話
・2023年5月:『ビグネス』『九龍』『守崎あまね』の「最終回ラッシュ」

URL

確かに、同じ号に「編集長の退社の話」と「最終回予告」が並んでいたのですが、実際には時期の違う話で……。
それを結びつけて「意味」を見つけてしまうのは、尚早かと存じます。

ここから先は

9,052字 / 50画像
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?