失われていくたくましさ。ザンビアの思い出
僕が1996年にザンビアで撮影した写真。
子供たちは皆、はだしだ。
たしか、ブッシュにある水場に野生動物を撮影に行った帰りに撮影したもの。
僕はとっさのシャッターチャンスを逃さないため、500mmの望遠レンズを三脚につけたまま帰路についていた。
歩いている途中にもいろいろと野営動物に出くわす。
今考えると危ないが、キャンプの人たちもみな普通に行き来している場所。
でも、ライオンの鳴き声が聞こえるとなかなか恐怖を感じるもの。
そんな時は、遠出はしない。
ライオンを誰も目撃していないのもあって、とりあえずは安全は確認している。
最も危ないのはゾウ、バッファローの類。
藪を抜けて、とおりに出ると一安心。
そんな通り、街へと続く大通りに出ると。
子供たちが僕のもとへと走ってきた。ちなみに街までは25kmの距離。
上の写真は、子供たちを望遠レンズで撮影したもの。
子供たちは、僕がカメラを構えると、こちらへと向かって走ってきた。
金銭的には貧乏である彼ら。
着ている服などはぼろぼろだが、そこには、にじみ出んばかりの笑顔。
そして、輝く瞳。
雄大な大自然とともに当時僕が感動したのは、子供たちの笑顔と元気だ。
純粋無垢で元気な彼ら、
一緒にいるだけで元気がもらえた。
大人も含め、彼らの生き様を見ていると「幸せとは何か?」
僕は、ザンビアでの生活を通してそんな事をよく考えた。
そんな事は人それぞれだし、答えがあるようなものではないのだが。
資本主義の世界、金銭的に豊かになるのもいいが、
同時に、失っていくものも、また多いのだなと、強く感じるようになった。
お金で買えないかけがえの無い物、失ったらなかなか元には戻せないもの。
何もかもが、お金の世界に取り込まれ、失われていっている。