人生の夕焼けについて
この季節の夕焼けがどうしてあんなに人の心を惹きつけるのか考えていた。
あの空の色の美しさ、ひんやりした空気、雲の形、薄暗くなっていく町並み。
なんといっても太陽の力が薄らいでいく、あの生命感のなさが私の心を打っているのは確かだろう。
生命感のないものに心惹かれるのはなぜだろう。音楽でも、文章でも、絵でも、美しいと感じるものはだいたい生命感がない。言い換えれば、死のにおいがどことなくする。
それはつまり、私は死に惹かれているということだろう。
今も私はきっとどこか死にたいのだ。
昼間の明るさより、真っ暗闇の夜に対して親和感がある。でも私が一番心を寄せるのは、その境目、太陽が沈んでいく時間だ。
きっと、私は死んだ後の永遠の時間よりも、死ぬ瞬間、死んでいく過程の短い時間に自分から発せられるであろう魂の夕焼けにいつまでも憧れている。
そんな人、きっと沢山いるんだろうと思う。人生の夕焼けについて話がしてみたい。