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詩──「雨に降られても」
雨曝しの僕らと、雨曝しの彼ら
僕らの憂鬱は彼らの火種で
彼らの炎は僕らの希望だった
つまり僕らは憂鬱から希望へ向けた列車に乗っている
時にホームに立ち降りて
次の快速を止めてやる 止めてやる
最期の別れを言いたくてイヤホンをつける
ふと──
始業のチャイムが鳴ったよ
静謐な過去へ戻って、僕を俯瞰する
喧騒なき未来を創ろう、共に創ろう
僕と僕なら出来るさ
さあこの手をとって
君は未来を見据えた
今の僕には無理だけど未来を知った君ならどうだろう
そうか
あの日も僕が手を差し伸べてくれたっけ
僕は未来を知りすぎたのか
ふと──
洗濯機が止まったよ
終点まで行きたかったんだけどな
もう日暮れだ
これが終電
今日はホームで野宿しよう
夜なのにここの空は明るいね
ふと──
鳥が飛んだよ
僕らももう行かなくちゃ
僕は18時間かけて
そうだ、カフェの面接に行かなくちゃ
ここは終点ではないから、
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