あとがき

私は家族が嫌いなので死にました。
私は親が嫌いなので死にました。
私は兄が大嫌いなので死にました。
私はペットが好きなので死にました。
私は忘れっぽいので死にました。
私はパソコンが扱えないので死にました。
私はギターを弾けないので死にました。
私は日記を書き逃したので死にました。
私は忘れっぽいので死にました。
私は旅行が楽しかったので死にました。
私は文才がないので死にました。
私はアーティスト気質でないので死にました。
私はつま先をタンスの角にぶつけたので死にました。
私はアイロンのかけ方が分からないので死にました。
私はニュースを見られないので死にました。
私は仕事をしたくないので死にました。
私はおおよそが分からないので死にました。
私は周りに迷惑をかけるので死にました。
私は完璧じゃないので死にました。
私は才能がないので死にました。
私は秋の夜長一人自転車で帰る田舎道、不意に来る空しさに耐えられないので死にました。
私は注目されたくて死にました。
私は自己顕示欲が歪んだので死にました。
私は全てをさらけ出したくて、それでもさらけ出すことのできない矮小な人間なので死にました。
私は私を彼と対比してしまうので死にました。
私は友達を認識できないので死にました。
私はいじめたので死にました。
私は世界が広いので死にました。
私は過去を肯定したくて死にました。
私は特別になりたくて死にました。
私は夢がないので死にました。
私は私が私でなくなったので死にました。
私は私が嫌いなので死にました。
私は生きることに真面目すぎるから死にました。
私は死にたいので死にました。
私は死にたかったので死にました。
私は生きたくないので死にました。
私は産まれたくなかったので死にました。
私は辛苦を厭って死にました。
私は別れたくなくて死にました。
私は無罪ではいられないので死にました。
私はこれからに希望を見出だして死にました。
私は幸せなので死にました。
私は死ぬ理由がわからなくなったので死にました。
私はこれ以上もう何も言うことがないので死にました。

生まれて来たことは不幸で、それは悲劇でしたが、少なくともこの1年と少しは私は幸せになるように尽くしました。