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7月26日の詩
どうしても寂しくなったら、エアコンをつけて広い家でぼけっとして、そして机に向かう。
いずれは無駄になっていくあらゆることをこの動悸が刻みながら、
僕は詩人のまねをして詩をつくる。
君は、あなたの真似をしてるのよと言って万年筆を拾い上げた。
僕は今度は歌人のまねをして短歌をつくる。
すると君も、あなたの真似だよって歳時記を開くのだ。
僕が万年筆で書いた孤独は、雨で全部流れてしまった。
孤独、って簡単に言うけど、実際そうじゃないのかもしれない。
だって私の周りにはこんなにも人がいるんだから、って教育を疑わない君が憎いよ。
世界はわざわざ光あれって言わなくちゃ光がないんだから。
僕は水に流せるティッシュに、どうしても伝えたいことだけ万年筆で書いて、雨が降りそうだから花壇の近くに置いてきたよ。
雨が降って溶けても、用水路に流れて、誰かのお米になって、誰かが食べる。そこに僕のどうしても伝えたいことは宿る。
少しの孤独と混じりながらそれはまた下水を通って、雲になって、また雨になって、誰かのどうしても伝えたいことを溶かすんだ。
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