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川が流れるように生きてる

色のない雑草や、散らかった部屋とか、廃れた商店街、錆のついたナイフみたいな、寂しさに含まれる風の揺蕩い。
風が吹いて、雲は流れる。川の水も流れる。
6月の、コオロギの鳴き声みたいな、見たこともないし名前も知らない音を、都合よく、自分だけの声援とたたえて、焦げそうな日差しのせいで、そそくさと買い物から帰る。

主要都市の、横の横にある地方都市の郊外の外れにある村に帰りつき、
イメージよりも早く来る夏の夕方にて、ほの温かい庭石に座れば、僕は面白くも神妙そうな顔つきになって、今だけ詩人を気取る。

例えば、庭族としての長みたいな銀武源の逞しさとか、
星型の五重塔に見える多肉のような、美しいと正しいをかみあわせた実直さが欲しくて
もしくは、その、多肉植物とかサボテンみたいな、少しの水で生きていける、よいおこがましさ。それを強かさと言ってもいい。

風景を言葉に練り込んで、こねくりまわして、耳に詰める。
それが道沿いの悪意を濾してくれて、いつか躓いた時、今日の風が吹く。
そして雲が流れて、日差しから守ってくれる。僕は溶けないですむ。
ほの暗い影に腰掛けて、蚊が湧いてきたので、溜まり水である僕はまた歩き出す。
そうやって、右も左もおんなじに、川が流れるように生きてる。

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リズムの書き遺し
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