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すべての塾生の「日本」が繋がる場所 - 全国慶應学生会連盟インタビュー

今回は全国慶應学生会連盟の吉田凌太さんにお話を伺いました。
昨今の難しい状況で活動する難しさや、これからやりたいことについて語っていただきました。

概要:

全国慶應学生会連盟(慶應義塾大学三田キャンパス)
全国慶應学生会連盟(以下、全慶連)は日本全国の慶應義塾生のための県人会ネットワークです。慶應義塾では県人会を「学生会」と呼んでおり、その学生会の集合組織が全慶連です。

インタビューをお受けいただいた方:
 吉田凌太(よしだりょうた)さん
  慶應義塾大学法学部政治学科3年生
  令和2年度全国慶應学生会連盟常任委員会 委員長

インタビュアー:
 金亨喆(Shakr inc.)

編集:
 尾本将太(Shakr inc.)

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インタビュー本文


・自己紹介をかんたんにお願いします。

吉田さん)
慶應義塾大学法学部政治学科三年の吉田凌太です。
僕が政治学科に入った理由は、色々学部がある中で、慶應に行きたいっていう思いがすごい強くて。
中学で慶應落ちてるんですけど、リベンジで「慶應受ける」っていう事を決めて。
その中で一番苦手なのは何かって考えた時に、政治が一番苦手だな、と思って政治を学んでみたいなと思ったので政治学科に入りました。

インタビュアー)
あんまり無い、マイナスなところから「こう行きたい」ってなったんですね。

吉田さん)
政治って重要なんですけど、僕ほんとに政治に知識とかが無くて、学んでみたいなという風に思っていたので、入って良かったなと今は思っていますよ。

将来自分の町を作りたいっていう夢があって、東京以外の場所に自分の町を作れたら良いなって思っていて。

東京生まれ東京育ちなので、違う出身の人と交流したいなと思って全慶連に入りました。

インタビュアー)
吉田さん個人の人柄ちょっと迫りたいんですけど、趣味とかありますか?

吉田さん)
最近はまったものでいうと、大戸屋をめぐる、みたいな。
大戸屋が本当に好きで、色んなところの大戸屋を巡って、スタンプがあるんですけどそれを貯めたりしてるみたいな。それが最近の趣味ですかね。
普通に長期的に見るとバックパックとか旅行が好きです。

インタビュアー)
なるほど。
大戸屋めぐりは確かに楽しそうですね。

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・全慶連の概要をお願いします。

吉田さん)
全慶連は主に地方から来た学生が暮らしやすい環境を提供するっていうのがひとつ大きな目的だと思っています。

もうひとつ大きな目的があるんですけど、地方の高校生に慶應を受けてもらう為の魅力作り、というか。

その二つが全慶連の使命というか。

インタビュアー)
47都道府県全てに在籍がいらっしゃるんですか?

吉田さん)
昔は居たんですけど今ほんとに減少傾向にありまして。
今からどうにかしていかないといけない致命的な問題なので変えていかないといけないかな。
今は47居ないと思います。

インタビュアー)
人数としては今何人くらいが参加されているんですか?

吉田さん)
現段階だと60人くらいまで減っちゃったんですよ。
昔は300人、400人くらい居たんですけど。


・コミュニティの中でどんな役割をされていますか?

吉田さん)
(委員長として)僕が主に行っている業務は、全慶連の本部の下に学生会があるんですけど、学生会の代表と話し合って方針を決めていくっていうのを主に行っています。

学生会が例えば東京学生会とか関西とか色々あるんですけど、そこがどれくらいお金を使ってどういう行動をするかっていうのをミーティングして、「こういう活動やった方が良いんじゃないか」みたいなのを打診したり議論したりしています。

後は高校生の魅力付けを行ったってさっき申し上げたんですけど。
学生部と協力してPVを作成したりっていうのはやってますね。

インタビュアー)
何故その役職に就かれる事になったんですか?

吉田さん)
三年の一月に代表が決まるんですけど、一年の時から代表になりたいっていうのを全面的に出していって。
先輩からの投票で決まるんですけど、先輩と一対一で「なりたいです、なりたいです」って言ってたら周りも対立候補みたいなのが居なくなったので。(笑)


・全慶連で吉田さんがやりたい事はなんですか?

吉田さん)
全慶連でやりたかった事はイメージ崩しですかね。一番大きいのはイメージ崩し。
「全慶連」って言った時にみんな「経団連」と間違える、みたいな。
そういう硬いイメージと思われていたので、サークルとかと共同でちょっとポップなイメージを出していきたいなっていう風に。
その為に結構早い段階から色んなサークルと連絡してイベントとかも考えていたんですけど…

インタビュアー)
コロナで難しくなってしまったんですね…

吉田さん)
やられてしまったので、それが全部裏目に周ってしまったみたいな感じですね。

インタビュアー)
それはお辛い思いをされましたね。

吉田さん)
本当にそうですね。崩れましたね。

インタビュアー)
それでもコロナ下でやられた事ってどんな活動があるんですか?

吉田さん)
やはりオンラインでの新歓がメインで。
最初のほうはオンライン新歓を何回か繰り返して、SNSで取り込んで、例えばLINEとかでグループを作って活動するみたいなのはやっていたんですけど、それにも限界があるなと思っていて。
で、オンラインからオフラインに切り替えようと思ったんですけど、うちの全慶連が地方生がメインということで、みんな帰省してしまってるんですよ。

「集まろう」ってなっても集まれないという。矛盾というかなかなか難しい状態ですね。

本当に活動ができてなくて。
ただ「楽しかったこと」というよりは今まだ可能性はあるな、と思っていて。

まだサークル入っていない人が多いというのは本当にそうだと思っていて。
特に地方生とかは情報が少なくてなかなかサークルに入れないという人が多いと思うので、今入ってくる人というのはすごく多い。
僕もうひとつサークル入ってるんですけどそこで結構多くて。
なので今、ここからどうやってやっていくかによって今後の全慶連のあり方というのも決まってくるんじゃないかなと個人的に思っているので。
割と楽観的に今は考えています。

インタビュアー)
今後、任期で言うと三月までだと思うのですが、三月までにやりたいことっていうのはコロナの状況次第でもありますが、新しく新一年生をどうにか迎え入れたいという感じでしょうか?

吉田さん)
そうですね、そっちも考えているんですけど、どちらかというとそこよりも高校生に対するターゲットを拡大させようかなという風に思っていて。

一年生が入らないっていう状況は多分みんな同じだと思うので、そこよりも全慶連の強みを考えた時に、やはり高校生にアプローチできるっていうのはすごい強いと思うので。

PVとかを作ることによって全慶連という存在を認知してもらって、大学入った時に「全慶連ってあったな」みたいな感じで思ってもらえるといいかな、という風に今考えてます。

インタビュアー)
高校生へのアプローチということですが、具体的な活動としてはPVを作るということ以外に何かあったりするんですか?

吉田さん)
今考えているのは、ちょっと難しいんですけど、常任の出身高校に連絡をして直接関われるようなイベントができないかな、みたいなのは打診したりしてます。

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・このコロナ下で大学生活自体はいかがですか?

吉田さん)
会わなくなったからこそコミュニティの大事さを逆に実感させられたみたいなのがあって。

コロナ下でなかなか会う事の障壁がすごく高くなったと思うんですけど、それでも会う友達って何人かいて。
その人たちの大事さを逆に実感するみたいなのは感じましたね。会う人は会うんだなって。

だからそういうのは出会えて良かったな、っていうのが大学の良かったところみたいな。


・コロナ以前はどういった形で活動が行われているような団体なんですか?

吉田さん)
そもそも全慶連自体が(他のサークルにも入っていて)兼サークルみたいなところがあって、一ヶ月に一回外に出てイベントしたり一緒に飲み会行ったり。

後は他の大学とかOBの方々との交流をしたりみたいなのが月に一、二回あるみたいなイメージだったんですけど。
対面の活動が全てなくなってしまったので、今はオンラインになってしまったみたいな。

インタビュアー)
全慶連のメインの活動以外で例えばオフで遊ぶとか、そういうことは結構あるんですか?

吉田さん)
ある人はあると思います。特に同じ出身の人たちは割とあると思いますし。
特に地方生出身は寮とか住んでる人が多いので、それで仲良くなってそのまま来ちゃう、みたいな人が多いので。
元々仲良かったみたいな人は頻繁に毎日遊んだり。

まあでも片端で参加してるみたいな人はやはりそこがメインになってしまうので、週一で会うか会わないかみたいなのは多いんじゃないかなという風に。


・全慶連でのイベントは具体的にどういうイベントを行っている・行いたいですか?

吉田さん)
コロナ前はやはり一番大きいのが三田祭ですかね。
それぞれの県人会が自分の県の特産物を売る、みたいなのをやってましたね。

それを活かしてぼくが考えていたのが、スローフードサークルっていうのがあるんですけど、そこと連携して。
ワークショップというか、三田祭以外で自分の県の特産物を用意してコンテストみたいなものをする、というのを考えていたんですけど、それができなくなったというのがまずひとつですね。

他のイベントとしては、ちょっとオンライン的な感じになっちゃうんですけど、自分の県をプレゼンして旅行案を二泊三日で考えてこよう、みたいな。

優勝したところはプロジェクトがそのまま全慶連の合宿になる。
なので自分の県をプレゼンしつつ採点できる、みたいなのを考えていたんですけど。


・全慶連の魅力について教えて下さい。

吉田さん)
魅力は色んな人が居るっていう事が、多様性という事が、そこが一番でかいのかなという風に思ってますね。

先ほど申し上げた通り、何かの片割れにやってるっていう人がすごい多くて。
色んな幅の人が居るので、コミュニティとしての価値はすごい高いのかなっていう風に思ってます。

ただ逆に、裏を返せば何かをやりながら何かをやっているので、どうしてもサブ的なものって人にとって価値がどんどん薄れてしまうというか。
特にコロナになると、本気で何かに取り組みたいってなった時に、もうひとつのものに行かなくなっちゃうって人がすごい多くて。
だんだん人数が減ってしまうのでそれが問題かなっていう。

インタビュアー)
県人会では集まるけど、全慶連のイベントには来ないみたいな事が起きやすくなるって事ですね。

個人としては全慶連に最初関わったきっかけが東京生まれ東京育ちだったからこそ他の地域を見てみたいみたいなお話があったと思うのですが、その自分のモチベーションなどはある程度叶いましたか?

吉田さん)
そうですね、自分のモチベーションとしては、個人としてはだいぶ満たされたかなと思うんですけど。
組織を見たときに、代表としての自分を見たときには満たされてないかなという感じですね。

インタビュアー)
半分以上はコロナ下でしょうがないなという思いもありかなと思うんですけど、やっぱり悔しいのは悔しいですよね。

吉田さん)
悔しいですね。
やっぱり上手くいってるところもあるので、そう考えると言い訳にはできないかなと思います。


・出会いたい人や、今後全慶連に来てほしい方などはどんな方ですか?

吉田さん)
学生が関わらないような人と会いたいというのが結構ありまして。
今ちょっと考えているんですけど、三十とかになった時に政治家になるのもちょっとありかなと自分の中で思っていて。

やっぱりせっかく政治学んできたし、自分の能力を考えた時に政治家に向いてると言われることがあって。
なので政治家とか絡ませていただきたいなっていうのはすごいあります。

あとはそれこそ金さんみたいな、自分で事業を作って起業されてるみたいな方とお会いする機会が中々無いので、金さんと出会えてすごいありがたいですし。

「個」の時代において自分で切り開いていく、みたいな開拓精神がある方とお話したいなというのはすごくあります。

インタビュアー)
なるほど。
コアなメンバーになってくれそうな方にこういう資質があったりとか、こういう人だったら一緒にできるんじゃないかとか、こういう人が来て欲しいなとかありますか?

吉田さん)
やはり今必要なのは積極的に新入生に呼びかけてもらうと思うので、一番求めてるのは恥ずかしがらずにどんどんアクションを起こしていく人が欲しいですね。

そういう人ばっかりだとやっぱりあれなので、5人中3人くらいはそういう人で、2人はそういうのを見てバランスを取れる人が良いかなっていう風に思ってます。

インタビュアー)
慶應以外の方も入れるんですか?

吉田さん)
慶應以外は一応お断りはしてますね。

でも早稲田にも同じような団体があって、そういうところとかと結構コラボとかもしてるのでご紹介もできるんじゃないか、みたいな。
あとはイベントレベルでは繋がれたら、みたいなところなんですかね。

インタビュアー)
早稲田との交流イベントってどれくらいの頻度でどんなことをやられてるんですか?

吉田さん)
年4回ですね。そのうち2回が野球の後の飲み会。
神宮球場から渋谷まで歩いて、渋谷で飲むみたいなのを二回やってます。
それ以外はホテルでパーティーみたいなのを開いたり。
今回は無くなってしまったんですけど、クリスマス前にどこかでパーティーをする、みたいなの結構やったりしてます。

インタビュアー)
早稲田生との交流はどういうところが楽しかったりよかったりしますか?

吉田さん)
こんなに違うのか!っていうくらい結構特徴が違っていて。
染まってない感じがする、みんな純粋にひとつのことに取り組むみたいな。

逆に慶應の場合は色んなことに器用に手を出してうまくできちゃうみたいな人が多くて。
どこかひとつに取り組むんじゃなくて、多くのことをうまくこなすみたいなタイプがすごい多い。

どっちのタイプも話していてすごい面白いですし。
共通する部分もあるので、学力とかもほぼ同じですし、話し相手としても結構面白いところがあるので。

インタビュアー)
コミュニティの特色として「面白い人と出会える」みたいなところはすごい大事だと思うんですけど、そういう意味では学校間までまたいで面白い人と出会えるかもしれないというところに強みがあるんですか?

吉田さん)
それは結構強みだと思いますね。

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・OB・OGとのつながりなどはどのような感じなのですか?

吉田さん)
例年の委員長は地方の三田会まで行って挨拶をするみたいなのがあったんですけど、それが僕の代ではできなくて。まあ移動ができないっていうので。

そういうので繋がってタイアップしてイベントを開くっていうのもあったりしてたんですけど。

例えば徳島とかに行って徳島三田会で、徳島学生会の委員長と全慶連の委員長が一緒に行って色々お話しして。今度こういう企画開きたいんですけどみたいな話をして。

徳島学生会と他の参加した人たちとでイベント開くみたいなのを結構やっていたんですけど、できなくなってしまったので今ちょっと考えてますね。

インタビュアー)
でもそれすごい楽しいですね。
地方の三田会の会長クラスになってくるとほんとに60歳くらいの方と渡り合って一緒に企画を作るっていうのはすごい楽しい。

吉田さん)
貴重な経験ですね。

インタビュアー)
各都道府県の学生会(県人会)ではどういった活動をしているんですか?

吉田さん)
県人会はもう任せているんですけど、基本的には一緒に会ってわちゃわちゃしたり、交流して、みたいなのが多いかもしれないですね。

インタビュアー)
そっちはめっちゃ来そうですね。

吉田さん)
そうですね、そっちは多いんですよ(笑)

インタビュアー)
県人会参加者だとどれくらいいらっしゃるんですか?

吉田さん)
県人会参加してる方だと、多いところだと30人とか。少ないところでも5人とかで会ってる所もありますし。

インタビュアー)
各県人会みたいなところに吉田さんが遊びに行ったりとかあったりするんですか?

吉田さん)
ありますあります。普通に呼んでもらって混ざらせてもらって、お話させてもらうみたいなこと結構あったりします。

インタビュアー)
海外から来る方々は増えてきていると思いますがどうされているんですか?

吉田さん)
そうですね。中国の学生会、中華学生会というのもありまして。
中華学生会も設けているんですけど、今年は本当に入ってないっていうか。(笑)

そこで日本語を学んだり、中華料理を一緒に作ったりっていうのは結構やったりしてましたね。


・この全慶連があってよかったなという事があれば是非教えてください。

吉田さん)
全慶連があってよかったのは、やっぱり多くの地方生と交流できたことだと思っていて。

こんなに地方生が集まっているサークルってなかなかないと思うので。その目的で集まっている人が多いと思うので。
そもそもあっちも交流したいっていう気で集まっている、僕も交流したいって気で集まっているので。

そういう意味では全慶連があったことはすごいありがたいなという風に思ってます。

後は他の大学とかOBとかとも繋がれるというのは、やはり慶應の下の団体だからこそできることだと思っていて。

昔力を持っていたからこそ、他の大学とか、伝統を活用して繋がることができたので、そこは一番強いのかなという風に。


・最後にこんな思いがある人に来てほしいなど、これから来る方々にメッセージをお願いします。

吉田さん)
一番来てもらいたいのはやはり今このようなコロナの状況下で、特に新入生とかなかなか人と会うことが難しいと思うんですよ。

新入生と出会えないとか、上級生と出会えないで不安を感じている人は特に来てほしいかなという風に思っています。

全慶連自体が人との出会いを大事にしている団体なので、そういうのを僕らも加味して、人と人を繋げられるように全力を尽くすので、期待して来ていただけるとありがたいですね。


編集後記

全国慶應学生会連盟、いかがでしたでしょうか?
全国の県人会を取りまとめるという性質は少し特殊なサークルでしたが、全国を取りまとめるがゆえの面白さや、幅広いつながりという魅力にあふれるサークルだったと思います。
昨年はコロナで辛い思いもされましたが今年こそは新たな方法を模索しながら活動を盛り上げていただければと思います!

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