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不正投票の方法

先日、ツイッターで電子投票に関する以下のようなツイートがまわってきた。
手元に残っていないが、大体、以下のような文面だったと思う。

「電子投票の問題点は組織のボスなどの前で投票させられること。これまでの投票所まで行って投票するやり方なら、投票用紙に名前を記載するボックスは個室なので、ここで自分の好きな名前を書くことができた。それができなくなるのは問題」

上記のつぶやきには数万のイイネがついており、どうやら多くの人が賛同している様子だった。
電子投票には不備があり、今後、対策が必要である点に関しては同意する。しかし、ツイート主をはじめ多くの人が、現状の投票所での投票であれば不正はできないと認識しているらしいことに少々不安を覚えた。

どうも、投票所での不正投票の実態について、世間では意外と知られていないようなので、一応、ここに記載しておく。

現在、投票所にて、実際に行われている不正投票の具体的手法は以下のとおりである。

1.選挙当日に組織のボスが構成員(社員、組合員、信者等)を1箇所に集める。
2.構成員のうち1名(A)を選挙会場に向かわせる。
3.Aは受付で選挙通知書を渡し、投票用紙を受け取る。
4.記載ボックスに入ったAは、投票用紙をポケットにしまいこみ、あらかじめ用意していた投票用紙と同じ大きさの紙をポケットから取り出す。投票箱にはこの紙を投入する。これによりAは白紙の投票用紙を入手できる。
5.Aは構成員の集まっている場所に戻り、白紙の投票用紙を出す。次に構成員Bがこの投票用紙に当選させたい立候補者の名前を書く。全員が見ている前で書かせるので、裏切ることはできない(ちなみにボールペンで書かせる)。
6.Bは投票所に行き、選挙通知書を渡し投票用紙を受けとる。受け取った白紙の投票用紙はポケットにしまいこみ、投票箱にはAから受け取った投票用紙を投入する。
(以下、5~6をループする)

これにより組織のボスは、確実に自分の意中の人物の名前を投票用紙に書かせることができる。
構成員は白紙の投票用紙をもって集合場所に帰ってくる必要があり、途中で裏切ることが難しい構造になっている点が特徴である。

欠点は1ループに時間がかかることで、特に投票所と構成員集合場所が離れている場合は、全構成員の投票が終わるまでに、かなりの時間がかかってしまう。
そのため、実際にはAの数を増やして、複数ラインにて同じことを行う。
それでも、かなりの手間がかかるため、国会議員選挙のような投票に必要な票数が多い選挙では有効でない場合も多い。
当選に必要な投票数が少ない選挙(町長選等)では有効な手法であり、地方選挙ではこのような不正が行われていることが多いと聞く。

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