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「建築的思考」という特殊能力

「建築って最強なんじゃないか」というのは、就職活動を始めたM1からずっと思っている。それは建築ではない別の業界(広告)に就職することを考えていたからこそ、思った(というより気づいた)のかもしれない。

当時すでに広告業界への志望を決めていたものの、地方にいたために、都会の学生のような就職活動はできなかった。説明会とか就活イベントとか他の学生との情報交換とか、そういったものは都会の学生の特権だと思ってる。
だから彼らに負けないようにするためには、自分は何を持っていて、何が武器になって、どうやったら戦えるのかをずっと考えてた。その時に「建築最強説」に気づいた。

大学でやっていたことはあくまで学生レベル、という前提はあるが、それでも建築というものができる過程に身を投じていたことは、間違いなく武器だった。
施主の想いを汲み取る共感力(営業力なのかも)、想いの根底にある本音を見つける読解力、与件を整える整理力、社会を見据えるマーケティング力、本質を見抜く洞察力、提案をまとめていく論理的思考力、思考を具現化する実行力、美しさを求めるクリエイティブ力、自分の考えを提案するプレゼン力、それを繰り返し行う精神力、そして何より妄想力。
これに気づいた時、勝ち筋が見えた感覚だった。こんな武器を持ってたら負けるわけがないなと、すごく心強かった。

これら以外にも、きっと色んな人が色んな身に付け方をしている。でもその全てが建築を学んだからこそのものであって、だからこそ「建築的思考」というのは特殊能力なんだと思う。

先日、谷尻誠さんの「CHANGE 未来を変える、これからの働き方」という本と、西澤明洋さんの「アイデアを実現させる建築的思考術 アーキテクチュアル・シンキング」という本を読んだ。どちらも素敵な本で、おこがましく言えば、今まで思っていたことが認められたような感覚だった。
今、建築以外の進路を考えている建築学生さん。この本は読んだ方がいいよ。そして、キミは最強だ。大丈夫、臆することは何もない。

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