366. Ha bemegyek a kocsmába (Magyar cigánytánc)
ジプシー民謡の楽器編成
ジプシー民謡の伴奏に使われるものは身近なものです。主に使われるのは、木のスプーン、ミルク缶(赤ちゃんの粉ミルクじゃないですよ 笑)、そして口(くち)三味線です。現在のようにバイオリンやギターなどの楽器が入るのはあとのことで、もともとはこれらが民謡を伴奏していましし、楽器が入った後も伴奏に欠かせないのは今も同じです。
木のスプーン
ハンガリーやルーマニアならどこの台所にもある木のスプーンを2本重ねてカスタネットのような乾いた響きを出します。ただカスタネットのように演奏用に形が整えられていないので、これを使って正しいリズムを刻むのも難しい技です。
ミルク缶
家畜の乳を搾ったあと入れておく缶です。もちろん、演奏で使う時は中には乳は入っていません。だいたいがブリキでできているもので、口の開け具合を調節しながら微妙な音の高低をつけ、缶の肩あたりもうまく利用して裏打ちしたり特徴的なリズムで合いの手を入れたり自在に叩いて演奏を盛り上げます。コントラバスとブラーチャの役割を同時にこなしているので、現代で言えばドラムの役割になるでしょうか。
くち三味線
三味線じゃないんですけど、つまり口でパーカッションを入れることで、主に男性がこの役割です。口ですのでいろいろな音が出せます。これも相当なリズム感があって口が回らないとできません。なおかつ、センスも求められます。
歌
主旋律の歌は男性でも女性でも歌いますし、多声になることがしばしばです。
今回は、そんな演奏の様子もご覧いただきたく、動画もお付けしました。現代らしく、弦楽器やアコーディオンが入って演奏そのものが華やかになっていますが、真ん中辺りでは木のスプーン担当の男性がいます。また、ミルク缶が2つつながれて肩から掛けられていますが、これは演奏しやすいようにアレンジしたものと思われます。もともとは座って一つのミルク缶を叩きますが、自分たちのやりやすいように工夫する力もジプシーたちの生きる力ですね。彼のくち三味線にもどうぞご注目ください。
Ha bemegyek a kocsmába
Ha bemegyek a kocsmába,
rávágok a zongorára.
Az orgona azt susogja,
elszökött a Gézu anyja,
hej romale, shavale.
居酒屋に入ったら
ピアノを思いっきり叩くんだ
オルガンが小声で言う
ゲーズの母ちゃんが家出したって
ヘイ、ジプシー、野郎ども
発音動画。パスワードは abc です。
https://vimeo.com/524674668
演奏です。パスワードは同じく abc。
https://vimeo.com/524682094
演奏:Parno Graszt - "Rávágok a zongorára/Hit The Piano" より
動画:下のタイトルをYouTubeサイトで検索してください。
Parno Graszt - Rávágok a zongorára (Petőfi Rádió akusztik)
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