見出し画像

【歩き続けたパリ滞在編④】お礼を伝える旅、Auvers sur Oise 〜 Giverny へ

フランスに来てからルームメイトと一緒に初めての遠出。
ゴッホの最後の地、Auvers sur Oiseへ。
ゴッホが最後を過ごした街を歩いてきた。
(晴れ女二人が揃ったおかげで雨予報が吹き飛ぶ。むしろ暑かった。)

駅に降り立ち一呼吸。
緑豊かで静かなところ、という印象。

まばらな人の流れについていくと、日曜日だったこともあり、商店はお昼で店じまい。少し歩くとマルシェがやっていた。
フロマージュのお店のムッシュが素敵な笑顔でとてもよかった。
郊外に行くとなんだか心の余裕を感じる。
その場で挟んでくれたマカロンもフロマージュの試食もソシソンもどれも美味しかった。

徒歩で回れる距離にぎゅっと絵画になった名所が詰まった場所。
今までゴッホの生涯にまつわる物語、検証動画を様々見てきたので、これがここか、と思う。
知識があった上で歩いてみたことでここでの滞在中にゴッホがどんな目線で景色を見て、どんなサイズ感で暮らしていたのか肌で感じることができてとても良かった。
その景色が残っていることがすごい。滞在中の追体験をしたと思った。

Auberge Ravouxでは、サラミ、パン、サーモン、サラダなどをいただき(Dimanche だからなのかスライスして出せるものばかりで煮込み料理は?)、デザートにはりんごのパイ?をいただいた。
これがとても美味しかった。
口の中に広がるりんごの香りと酸味が絶妙で。
(バターとシナモンが入っていないように思った)

最後の時を過ごしたお部屋も行き、ゆっくり見せてはもらえなかったけど、すいてたお陰でスタッフのお姉さんといろいろ話すことができた。お姉さんもおすすめのアップルパイ。美味しかった。

兄弟の眠るお墓にも行った。
こちらは写真を撮る気にならなかった。緑に覆われ、ひまわりが咲いていた。(後ろから来た親子がばっちり写真撮ってたけどね。帰ってから家主さんと話し、欧米人と日本人のお墓に対する考え方の違いかもと)
行ったらお礼を言いたいと思っていたので手を合わせることができてよかった。
手を合わせたからなのか、
今までは歴史上の人物の一人だったはずなのに急に存在に輪郭が出てきてとても身近に感じられて不思議だった。
この人の人生が実在した物語であることを実感した。

アムステルダムで見たゴッホのパレットは絵のタッチそのものだったことを思い出した。

ヨーロッパは都市部もいいけど
郊外に面白みがあると思った。

さて、電車に慣れたところで一人旅。絶対に行こうと思っていたモネの場所へ。
冬季休業前に滑り込みで行くことができた。

クロード・モネといえば印象派のなかでも知名度の高いお方。
私が好きな画家の1人だ。
モネを知ったのはいつだかわからない。
家に画集があったから、物心ついた時にはいつも見ていた。
特に睡蓮の絵の青が好きだった。
そんな存在だったモネ。
印象、日の出に影響を受けて絵も描いたり。

34歳になった今、初めてモネに会いに行く。
ゴッホに続きお墓参りだ。
一方的だけど伝えたいことがあって。

当日は明け方にものすごい雨が降っており心配したが、晴れ女にはなんのその、出かける頃にはピタッと止んで、帰っていたらまたザーッと降り始めるという芸当を成し遂げた。そしてとてもありがたいことに憧れの庭を訪ねるにあたって、この雨が最高の条件となった。

はやる気持ちを抑えながら駅を降りて向かった先には
写真で見ていた庭、絵で見ていた輝きがそこにあった。
雨上がりのすっきりとした空、朝の爽やかな光が水面に反射してゆらめく。
雨で濡れた草花がキラキラして光が溢れていた。
モネが描きたかった光、表現したくなる気持ちがわかった気がした。
雨上がりの朝、朝の爽やかな光という条件の揃った時間がとても美しくてゆっくり浸った。

Givernyの街は別荘地みたいな印象。モネの家から少し歩いてお墓のある教会へは歩ける距離。
今までたくさんのインスピレーションをくれたことへの感謝と絵が好きだということを伝えにゆく。
家族と一緒のお墓で、みんなに愛されていたことが伝わってくるお花がいっぱいの素敵なお墓だった。今まで絵や写真でしか知らなかった相手が突然リアルな存在として記憶される、生きた手触りを感じた。

ゴッホの時と同じ感覚だった。

おまけのおはなし。

それから最寄り駅のVernonが意外と良くて、もし行く時は
Musée Alphonse-Georges-Poulainに行くのがおすすめです。円形のキャンバス作品のモネの睡蓮、モネの家族の作品など、落ち着いた空間で動物の作品もよかった。
絵本も置いてあって、今日はお隣の福祉施設の子供たちが来ていて楽しそうだった。

いいなと思ったら応援しよう!