さらば家 【地方空き家サバイバル,32日目,2022/6/23(木)】
最後の朝。お気に入りの森のランニングコースを歩いた。走る元気はなかった。少し残った梱包作業を終わらせ。荷物の発送を見送った。
引っ越しはこれまで何度かあった。その度に,使えるモノを処分していた。送料が高いし,梱包作業が面倒だからだ。そんな私にとって,祖父母の遺品を処分する日々は,いいお灸になった。もうゴミを捨てるのはウンザリだ。いままでだったら処分しているモノを梱包して,実家に送った。
2ヶ月に1度しかない金属家電ゴミの回収には,間に合わなかった。その日のために,外にまとめておいた鉄くずたちを,家の中に運び入れた。コンクリート床の部屋にまとめた。これで,家の周りはスッキリと片付いた。このスッキリとした外観を,ずっと見たかった。外側だけだが,あるべき姿に戻せて,気が済んだ。
最後に水浴びをし,戸締まりをしようとしたら,窓から出られないアブを発見した。いつも通り,窓を明けてやると,すぐ出ていった。この家は,また,虫の牢獄になるのか。窓を開けっ放しにする衝動を抑え,戸締まりをした。
やることは終わった。さらば,家。おまえを面白く活用するという挑戦は失敗に終わった。ただ,おまえを雑巾がけする日々は楽しかった。ありがとう。
やったこと
今日やったことは,以下のとおり。
・梱包作業
・荷物の発送
・金属家電ゴミを家の中に入れる
おわりに
島根では,いろいろなことをやった。そのなかには,神奈川でもできたことが多いことに気づく。意識の問題なんだろう。「この地には何があるんだろう」,「この地で面白い生活をつくろう」,そんな意識で歩き回り,いろいろとやってみれば良かったんだ。隣の芝を眺める時間を減らし,自分の庭を耕す時間を増やせば良かったんだ。
イヤなことや,不便なことを排除していくと,人生は退屈になっていくのではないか。自分自身の適応力に気づく機会を持てず,だんだん自信を失っていくのではないか。なんとなく、そんな考えが頭にあった。そこで今回の移住では,あえて,イヤなことや不便なことをたくさん経験してみた。退屈はしなかったな。なぞの達成感もあった。なにより,発見が多かった。そんな,発見の日々を記したのが,この日記だ。
最後まで読んでくれて,ありがとう。
この日記は,これでおしまい。