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娘を捨てた母の呪縛


私にとって
これからやりたいと思っている事
本当に叶えたい夢を
実現させようと願う時

踏み出せない理由はいくつかあり
その最も大きな理由のひとつは

母親を放棄して
娘を手放して
逃げ出した過去

当時5歳だった娘は
産まれる前から低体重と宣告され
長期入院の末、2096グラムで産まれた

小さく産んでしまった事と
初めての子育ての不安と
頼れる人がいなかった孤独と
ホルモンバランスの乱れで

毎日この子と死ぬ事を考えて過ごした数ヶ月

当時の夫からは
周りの女性は働きながら子育てをうまくやっているのにと
慰めや励ましどころかダメ出しの毎日に

私は自分が無価値な人間だと
今までなんて傲慢に生きていたんだろうと
本気で思った

貧しい家庭環境から
連れ出してくれたと思っていた優しい夫は
そのうち
私を可哀想な人間だから
俺が救ってやったという振る舞いに変わっていった

いわゆるモラハラ男だ

私はそれでも
これまでの生活よりはマシで
私なんかをもらってくれた人なんだからと
尽くす事が私のできる事だと
顔色を見ながらの6年

誰にも相談できず
それでも周りが少しずつ見え始めた時

死んだように生きていたけれど
このままではいつか自分が
本当に命を絶ってしまいそうで

離婚という決断をした

もめながら迎えた最後の日

幼稚園から帰ってきた娘は
疲れたのかカーペットの上でうつ伏せで眠ってしまった

その姿を目にやきつけて
(ごめんね。。)

夫に言われた最後の言葉は
残酷すぎて書けない

私は
幸せになりたかった

幸せになりたくて
新たな人生を
私の人生を
見てみたくて
決断したはずなのに

こんな冷酷な人間は
幸せになる権利はないと
懺悔の感情が大きな壁になった

当時のママ友達にも
何も伝えず
忽然と姿を消し
連絡がきても
読むこともせず
ただ沈黙を貫いた

今でもSNSで繋がっている人もいて
思いの全てを投稿することを
躊躇っていた

今、私を哀れみではなく
1人の女性として愛してくれる
優しく素敵な夫と
可愛い息子がいて
本当に幸せなのだ

それだけでも
私にとっては
有り余る幸せなのに

やりたい事をやる
とか
欲張りで贅沢すぎるという
感情は
やはりあの時の
娘を捨てた
という呪縛からだ

なぜ今この話をするのかというと
私のためだ

そして
荒波を越えてきたからこそ
語ることができる

それが
私にしかできないことだから

お子さん1人ですか?
って聞かれると痛むけれど
この想いと共に生きていくんだ


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