思い煩うことなく愉しく生きよ
思い煩うことなく愉しく生きよ
これが私のここ数年の生きるテーマになっている。
江國香織の作品のタイトルだ。
小説も読んだが、どんな内容だったっけ。
タイトルだけがやけに心に残っている。
20代の頃は仕事もうまくいっているとは言えなくて、恋人とは結婚できずくずぶっていた。
江國香織の作品に出てくる女性は、サバサバしているのに美しく、物事を深く考えないで、時に本能のままに、しかし日常をつつましく生きている。
お勉強ができるというよりは、賢い。
自分がどんな人間で、誰を愛し、何を大切にしなければいけないのか、よくわかっている、そんなイメージの女性が多い。
とても魅力的に見えて、そういう女性になりたいと思っていた。同じ本を何度も読んだ。
私は現実世界の大多数の価値観にとらわれて、自分がよくわからなくなっていた。
作品の主人公たちみたいに、自由に生きたい、と思った。
思い煩うことなく愉しく生きよう。
安心できる老後のために、今何かを我慢しなくていい。
他の人より裕福な暮らしをするために、努力しなくていい。
一番大切なのは、”今”小さな幸せを積み上げていくこと
もちろん世の中を変えるような大きな夢や、ステータスや地位、名誉が大切な人は努力したほうがいい。
でも普通の幸せを望むなら(普通の幸せも難しいけど)今を大切に生きればいいのではないか。
私は今日も手作りのおいしいご飯を作り、猫を愛でて、ぽっちゃりおなかの愛する人の隣で眠りにつく。