ピアノで簡単にコードとメロディを弾く方法
コード付きメロディ譜が手元にあるときに、初学者でもメロディとバスとハーモニーを簡単に弾く方法を説明する。
左手バス、右手メロディ+ハーモニーが基本
外声については、バスが左手、メロディ(トップノート)が右手は異論のないところだろう。内声については左手と右手で協力して弾くことになるが、左手はたくさん弾くと音が濁る(Low Interval Limit)ので、右手でハーモナイズするのが基本となる。
このとき、バスとメロディの音程ごとに弾くべき内声が変わる。
以下、Cコード(ドミソ和音)を例に、メロディ音程ごと(ド、レ、ミ、ファ…)に内声を確認する。
メロディが「ド」のとき(ルートメロ)
どんな場合でも内声で3rd音(Cコードでいうと「ミ」)を弾くのが基本である。5th音「ソ」は任意で弾く。7th音「シ」はメロディ音とぶつかるので弾かない(アボイドノート)。
メロディが「レ」のとき(9thメロ)
レは9thテンションとなる。このときも3rd音「ミ」を弾くのが必須で、むしろ「ミ」を内声で弾くことで「レ」のテンション感が際立つ。5thと7thは任意で、両方弾いても、片方だけ弾いても、どちらも弾かなくてもてもよい。
(ジャズ系だと7thを弾いて、ポップス系だと5thを弾くといい感じだが、楽譜がある場合はコードネーム表記に従うのが無難。)
メロディが「ミ」のとき(3rdメロ)
メロディが「ミ」(3rd)のときはそれだけ弾けば和音として十分成り立つが、1音だけだとハーモニー的に淋しいので、任意に5th「ソ」やR「ド」を内声に加える。Cmaj7のときは「ド」の代わりに7th「シ」を弾く。
メロディが「ファ」のとき(sus4(11th)メロ)
Cコードにおけるファはsus4なので3rd「ミ」を弾いてはいけない。代わりに内声で5th「ソ」とR「ド」を弾く。7th「シ」はメロディとトライトーンになるので弾かない方がよい(ただしC7sus4のように♭7thのときは弾く)。Cm7のようなマイナー系コードでは、ファはsus4ではなく11thテンションとなるが、この場合も3rd「ミ♭」は弾かない(というか大きな手じゃないと届かない😅)。
sus4(11th)メロのときは例外的に3rdは弾かない、と覚えておくとよい。
メロディが「ソ」のとき(5thメロ)
このときも3rd「ミ」を弾くのが基本。任意で「ド」を弾いてもよい。Cmaj7のときは「ド」の代わりに7th「シ」を弾く。
慣れてきたら、オシャレ感を出したいときに内声に9thテンション「レ」を加えるのもよい。
メロディが「ラ」のとき(13thメロ)
ラの音は13thテンションとなる。やはり3rd「ミ」を弾くのが基本。さらにR「ド」を弾くか7th「シ」を弾くかは好みによるが、個人的にはメロディが13thのときに右手で7th・3rd・13thを弾くと非常に美しく感じる✨。コード表記がCmaj7のときはこのように弾いてみよう。
メロディが「シ」のとき(7thメロ)
メロディが「シ」のときも、内声で3rd「ミ」を弾くのが基本だが、メロディとの音程が広いので適宜5th「ソ」を足せばよいだろう。
まとめ
以上、Cコード(ドミソ)を例に、メロディ音ごとの弾き方を検証した。この弾き方は他のあらゆるコードで有効である。
(本説明では5thは任意としているが、diminishやaugmentの特殊コードでは♭5thや#5thが特徴音となるので省略せず弾く。)
一気に覚えられない方は「とりあえず内声に3rd(ミの音)を足す」とだけ覚えておけばよいだろう(ただしsus4/11thは例外)。
とにかくルート音からのメロディ音、3rd音、7th音などの音程を意識しながら弾くことが肝要である(慣れると無意識で弾けるようになる)。
この弾き方で、お気に入りの曲のコードとメロディを演奏すると楽しく自然にマスターできると思う。このとき各種コード、音程が身につけるために、ハ長調に移調せずに原曲キーで弾くことをおすすめする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?