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留学での最初のしんどさを救ってくれたのは「ごはん」

自分の国を出て違う土地に引っ越して来ると、一度はぶち当たる壁。
人それぞれその障壁の種類は異なると思うけど、もちろんわたしもNYに来てから1回目の壁があった。
それは言語の壁だった。

以前、旅行でNYに来た時はノリで乗り越えたり聞き取りも多少はわかる気でいた。(何より楽しかったから全然問題なかった)
だけどやっぱり暮らすとなると、簡単な言葉が出てこなかったり何を言ってるかわからなくて、モヤモヤと小さな自己嫌悪感が毎日起こってくる。

留学で来たばかりの当時行ってた学校では、クラスメイトは25人くらいだったかな?多国籍なメンバーで、大体年下の子が多かった。
気づいたのは、どの国の人も"英語は喋れるけどグラマー(文法)は苦手"という人ばかり。だけど日本人の場合は逆で、"グラマーはできるけど英語は喋れない"という人が大半。これは日本の英語教育に問題があると思うけど・・
わたしももれなくその内の一人だった。
クラスのレベルにはついていけるけど、喋ることはままならなかった。
だからグループワークで意見を交換するシーンとかはすごく困ったなぁ。
自分の性格的にも積極的に「さぁ学校で友達を作ろう!」ってタイプじゃなかったし、年代が異なり、あまりに"学校"感があるタイプの学校に馴染めなかったんだと思う。
そして授業が進むうちに、段々とスピードについていけなかったり理解力が追いついてないなと感じることが増えていった。

そんなプライベートでの英語の喋れなさと、少し感じていた劣等感や、NYに来たばかりでいっぱいいっぱいの気持ちやホームシックが重なり、テストの日の当日。
スピーキングのパートで先生と一対一で、ただ質問に答えるという場面があった。うまく答えられるかちょっとナーヴァスな気持ちで、先生と一緒に部屋の外に出た。
質問に簡単な英語で答えていたけど、その時すでに心に余裕がない感じがしていた。そして次の質問が
「What did you feel when you came to NY for the first time?」
(初めてNYに来た時の感想はどうだった?)
だった。
初めて旅行でNYに来た時の高揚感・楽しくてとっても幸せだった時のことを思い出して、それを伝えようとした時に涙が出てきてしまった。
NYがキラキラ輝いててハッピーしかなかった自分と比べると、その時の心の状況とは全く異なるものだった。
泣き出したことに先生はびっくりして、大丈夫?ごめんなさいと謝られる事態に。
わたしはそれも申し訳なくてあくまで明るく接してたけど、この状態ではクラスには戻れずトイレに行き自分を落ち着かせてた。
そのあとその日が最後だったクラスメイトの送迎パーティーが行われてたけど、それも出席することはできずそのまま家に帰ることに。

帰りは天気が良くて、自分とは非対称に明るく楽しそうに話す商店の人の喋り声が印象的だった。

ふと家の近くに日系の小さいスーパーを見つけてふらっと入ってみた。
所狭しと並ぶ数々の品揃えに、まるで日本に来たみたいとテンションが上がった。思わずそこでいくつか商品を購入し、早速家でお米とお味噌汁を食べた。

炊き上がったご飯は輝いていていい香り。
お味噌汁を食べたら本当に体の中にすーっと入っていく感覚があった。
今まで気付かなかったけど、NYに来て1ヶ月くらい日本食を一度も口にしていなかったのだ。

その時の食事はわたしの気持ちを楽にしてくれて、心から癒してくれた。
やっぱり生まれた時からずっと食べてきた食事って自分の楚となるものだし、こんなにも癒し効果があるのかって気付かされた。

食事は本当に大事だね。
日本のソウルフードに感謝。というお話。

※見出しの写真は、その時に行った日系スーパー "Family Market"
(えっ惜しい..!ってなった。)


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