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自分のコトバを決していいかげんにしない。
コトバがいいかげんだと、
周りの人が離れていき、
何ひとつ上手くいかなくなります。
以下の「論語」の一説は、孔子が子路に「まずは名を正す=自分のコトバの定義を正しくする」ことが大切だと説く場面です。
子路がいった、「衛の殿さまが先生をお迎えして政治をなさることになれば、先生は何から先きになさいますか。」
先生はいわれた、「せめては名を正すことだね。」
子路はいった、「これですからね、先生のまわり遠さは。〔この急場にそんなものを〕どうしてまた正すのです。」
先生はいわれた、「がさつだね、由は。君子は自分の分からないことではだまっているものだ。名が正しくなければことばも順当でなく、ことばが順当でなければ仕事もできあがらず、仕事ができあがらなければ儀礼や音楽も盛んにならず、儀礼や音楽が盛んでなければ刑罰もぴったりゆかず、刑罰がぴったりゆかなければ人民は〔不安で〕手足のおきどころもなくなる。だから君子は名をつけたらきっとそれをことばとして言えるし、ことばで言ったらきっとそれを実行できるようにする。君子は自分のことばについては決していいかげんにしないものだよ。」
ここでの「名を正す」とは、一言でいえば「物事を正しく定義し、名前(コトバ)とその実態を一致させること」です。
ビジネスでも生活でも、「コトバと実態のズレ」を放置すると、コミュニケーションの誤解や方針の不一致を引き起こし、人間関係を混乱させる原因になります。
この記事では、この一説から得られる教訓を整理し、あわせて論語の背景や意味合いを解説します。
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