帝王切開瘢痕症候群の修復治療を受けたら子宮が閉じちゃった話
2023年に帝王切開瘢痕症候群と診断され、2024年に治療を受けた私ですが、題名にもある通り、子宮口が閉じてしまいました。治療は途中で止まっています。
帝王切開瘢痕症候群の修復術に期待されて読み進めていただくと申し訳ないので、最初にお伝えしておきます。必ずしも全てうまくいかないのが医療ですから、こんな事例もあるのだな、と心に留めていただければ幸いです。
帝王切開瘢痕症候群ってなに?
帝王切開瘢痕症候群。聞き慣れないことばです。そもそも読み方がわからない。「ていおうせっかいはんこんしょうこうぐん」と読みます。
簡単に言えば、帝王切開の傷跡が悪さをしている。それによって子宮が妊娠しづらい状態になっている。というかんじです。
帝王切開瘢痕症候群の治療は比較的新しく、保険適応されたのも2022年ですので、国内での症例数はあまり多くはありません。治療できる病院もあまり多くはないそうです。(担当医談)
どこで診断された?
私の場合、リプロダクションクリニックでの子宮鏡検査で指摘されました。
私には2人の子供がいます。(いずれも帝王切開で出産)夫の希望で3人目を検討する中でリプロを受診しました。そこで、帝王切開瘢痕症候群を指摘されたのです。今の子宮の状態で3人目を希望しても、非常に妊娠率が低いということで、専門医による診断・治療を受けてからの3人目検討を勧められました。
たまたま、私がかかったクリニックが帝王切開瘢痕症候群を取り扱う病院と提携していたので、スムーズに専門医を紹介してもらうことができました。今思えば、違うクリニックに行っていたら、そもそもこの病名自体つかなかったのではないかなぁと思います。
治療が得意な病院はどこ?
※どこの病院が得意か?についての情報の出元は、私の担当医です。よって他にも得意な病院があるかもしれない点、ご了承ください。
帝王切開瘢痕症候群修復術は、比較的新しい治療であるため、国内で多く症例を持っている病院はかなり限られているのが現状です。(2024年現在)
症例の多い病院は3つ、東京、滋賀、富山にある病院だそうです。
(学会論文の数を参考に具体的な名称は検索していただければと思います。)
私が紹介された病院は、中でも症例数がかなり多い方だということです。「具体的にこれまで何件ぐらい治療したのですか?」の質問には2桁前半の回答でした。私的にはかなり少なく感じました。3桁くらい行ってるものだと思っていました。それくらいまだまだ症例数の少ない病気です。
担当医によれば、この病名がついた症例数・治療数が少ないだけで、これまでなかった病気というわけではありません。「帝王切開後の傷を修復して、妊娠確率を上げる」という治療が行われるようになったのが比較的最近である、帝王切開瘢痕症候群という名前が付けられていなかっただけということだそうです。また、近年は安全な出産のために帝王切開をする機会も増えているということもおっしゃっていました。
自覚症状は?
私にどのような自覚症状があったか挙げてみます。
月経過多:月経2日目に最低150ml 以上の出血。わたしは月経カップを利用しているので、具体的な量を量ることができます。
過長月経:月経期間が長く、10日経ってやっと終わるくらい。
腹痛:月経2日目に立てないほどの腹痛。
不正出血:月経2週間後の排卵期頃に、血交じりの粘液が多く出る。
性交痛:痛くて痛くて苦痛でしかなかったです。
排便痛:月経の度に悶絶してました。
貧血:月経過多のためか、常に疲れやすかったです。
こう見ると、ほんとうにいろんな症状がありました。
瘢痕部は実際どうなっていた?
私の場合ですが、瘢痕部(帝王切開の傷跡)が非常に薄くなっていました。普通は9mm以上あるらしい子宮の厚さが、0.8mm(透けて見えるくらい)だったそうです。ぺらっぺらでした。治療せずに妊娠していれば、間違いなく子宮破裂していたでしょう、とのことです。恐ろしい。
この薄さゆえ、性交痛や排便通が激しくあったのではないかということです。
また、瘢痕部から出血と粘液が出ていたそうで、それらも妊娠時の妨げになるので治療が必要だということでした。
どんな治療をしたのか?
手術以外に治療の方法はないということで、腹腔鏡手術により治療しました。手術の詳細については別途記事にまとめたいと思います。
腹腔鏡による手術自体は成功でした。私の場合、瘢痕症候群以外に、複数の子宮筋腫、子宮後屈などが併発していました。瘢痕部については、子宮の薄くなった部分を切除し縫い合わせることで、正常な厚さに修復しました。同時に、筋腫の摘出と子宮のポジション修正をしていただきました。
治療の経過
術後、生理痛はかなり軽くなり、月経量も減り、また貧血が軽減したからか、とても体調が改善したように感じました。
しかし、術後1か月の検診で、瘢痕部に未だ出血が見られることが判明しました。そして止血のため、そのまた1か月後に再手術を行うことになりました。今度は腹腔鏡ではなく、全身麻酔下での子宮鏡手術となりました。
再手術
そして再手術を迎え・・・先生が止血しようと子宮鏡をのぞいて見たら、なんと、子宮の入口が見つからない!頸部の狭窄(癒着して狭くなっている)が判明したのです。
不測の事態に、約10分で終わるはずだった手術は4時間の大手術に。先生はいろいろ手を尽くそうとしてくれたようですが、結局なにもできないまま手術は終了しました。
今、私の子宮の出口はほぼふさがっている状態です。経血は殆ど排出されません。針一本、入るか入らないか、くらいの穴しかあいていないそうです。
ということで、ひとまず瘢痕症候群の治療については以上になります。え、終わり?と思うかもしれません。私も思います。
「瘢痕部を修復途中で子宮が閉じてしまった」というのが私の現状です。
落ちがなくてほんとすみません。でも、ほんとに以上なんです。
このように瘢痕症候群の術後に狭窄してしまう例はかなり稀だということでした。瘢痕症候群自体が新しい病名ということもあり、狭窄の症例はあっても片手で数えるほど。経過もそれぞれ違うので、類似の症例はほぼ見当たらない。ましてや、狭窄を修復して、妊娠出産した事例は見当たらないと…
この後どうしたもんか。医師から提案されていること、私が考えていることをまた別の記事に記していけたらと思います。
帝王切開瘢痕症候群はまだまだ一般的でなく、ネットで調べても治療を受けた方の情報が少ないように思い、自分が経験した情報を記すことにしました。これが少しでも帝王切開瘢痕症候群に悩む方の一助になりましたら幸いです。